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それぞれの想いは交差し、物語を紡ぐ。
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村から少し離れた場所に、その墓地はあった。
ここには多分、一度も来た事が無い。僕が神族になる前でもその筈だった。
それなのに、どうしてだろう……凄く、懐かしい。
子供の声が聞こえたのもここ。寂れた墓地の、その中で。

「……羽衣さん、どうしたの?」
「いえ……なんとなく、懐かしいなぁって。」
「懐かしい……でも、羽衣はここへは来た事が無いはずじゃ?」
「そうですけど……でも、そんな気がするんです。」

きっと、ここに僕に関係する何かがある……だから、こんな気分になるのかもしれない。

「ここを調べてみます。もしかしたら、何か手掛かりがあるかもしれない……」

そう言ってもっと奥に進もうとした、その時だった。

『あははは……』
「……!」

間違いなく聞こえた、笑い声……これは、女の子の……?
思わず武器を具現させて身構える。何かが、近くにいる……?
猫神様と神王様にも聞こえていた。二人とも身構えている。

「……僕の聞き間違えでは……無いみたいだね。」
「どうやら本物らしい。しかし、これは厄介かもしれないな……」

何処かに声の主がいる……でも、何処に……?

『うふふ……』
『ははは……』
「声が……増えた……?」

今度は男の子の声。冷や汗が出る。近い……
でも、この感じ……何か、覚えて……?

「……あ、れ……?」
「羽衣!?」
「羽衣さん!」

急に目の前が暗くなっていく。武器が消えていく。
全身から力が抜けて、その場に倒れる。
あぁ、何だろう……凄く、温かい……

「羽衣、しっかりして!羽衣!!」
「羽衣さんっ!こんな事が……ありえるのか……!」

二人の声も、だんだん聞こえなくなって。
凄く、眠い……

『……おかえり……』

うん……ただいま……みんな……
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