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それぞれの想いは交差し、物語を紡ぐ。
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「こうして三人で出かけるの、久しぶりだね~。」
「そうですね。羽衣さんがいないと、ちょっと寂しいですけど……」
「何、羽衣ならすぐに戻るさ。」

三人で魔物の討伐に向かう。
羽衣がいない以前の状態に戻った……それだけの筈が、何かが足りない。
……これも変化、か。以前の我であれば、一人ででも何も思わず戦いに挑んでいただろう。

「……でも、なんで今になってあの……もう一人の羽衣ちゃんが出てきたんだろう?」
「分からない……二度と出る事もないだろうと我も思っていたからな。」

羽衣ともう一人の羽衣は、一度確実に一つになっていた。
だが、それが突如として分離した……その理由が何なのか。
あの時感じた気配は、羽衣からではなく外部からの物だ。
何らの外部的要因によって、強制的に分離させられた……?

「咲耶様は、羽衣様の所へは……」
「今回は……羽衣に任せる。我が干渉すべきではない。」
「そうですか……」

……あれ以上は、我は手出しが出来ない。
あんな真似はよほどの事が無い限り出来ない。
それに、分離しているはずのもう一人の羽衣の動きが全く感じられなかった。

「だが、神王の所には行かせるようにした。奴なら何があっても対応出来るだろうからな。」
「あ、そうなんだ。それなら大丈夫かな。」

ここから先は、我よりも距離が近い猫神や、あれでも神族の長であるアルフォードに任せた方がいい。
……何より、我は精霊だ。そこまで干渉出来る程の知識と能力は無い。

「今は、我らは我らの、羽衣には羽衣のやるべき事がある、それだけだ。」
「うん……そうだね。」
「今は私達で頑張りましょう。」
「ああ。」

今はただ、互いに目の前にある問題をどうにかしなくてはならない。
……やらねばならぬ事は、多くある。
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