それぞれの想いは交差し、物語を紡ぐ。
『それじゃあ……いくわよ。一旦、貴方の体を借りるわ。』
「……はい。」
始まった……私が、大精霊になる為の、大切な儀式が……
「風の大精霊が命ずる……」
口が勝手に動く、不思議な感覚。そしてエアリナ様が唱え始めた瞬間、一瞬意識が薄くなった。
「うっ……んんっ……」
『……しっかり。貴方なら大丈夫よ……』
意識を集中して、倒れないように気をつける。信じられないぐらいの、力が……
長い詠唱……ううん、本当は短かったのかも。でも、私にはとても長く感じられた。
そして……
「……これより、引継ぎを行う。」
そう言った瞬間、私の中の何かが弾け飛んだ気がした。
そして、何も見えなくなった……
「ここは……?」
次に風景が見えた時、そこは、風の空間の広場だった。
ただ、何かが違う……何も、気配を感じられない。
目の前には……私が、居た。
「ここが、か……因縁って言うのは怖いわね……」
「エアリナ……様?」
「結局、最期まで本当のあたしの姿を見せられなかったわね。
空間を出した時ぐらい、過去の記憶から拾ってくれるものだと思ったけど……
そう甘くは無かった、か……」
見た事のある服。あの服って……確か、上位の精霊が着る、あの……
「ごめんなさいね、最期まで……あたしも貴方に頼っていたわ。」
「そんな……エアリナ様が悪いんじゃないです。」
「ふふっ……ありがとう。貴方は優しいのね。」
目の前にいる私は笑顔だった。不思議な感覚、でも、おかしくは無い。
「その優しさ……絶対に、忘れないでね。咲耶は……それを、忘れる時があったから。」
「忘れる時……それって、もしかして……」
「もしも咲耶が道から外れそうになった時……その時は、止めてあげてね。」
「……はい。」
咲耶ちゃんは、時々自分を見失うんじゃないかって思う時があった。
戦っている時の表情とか……怖い時があった。
仕方の無い事かもしれない。だって、咲耶ちゃんはあの酷い戦いを知っているから。
でも……今の咲耶ちゃんは違う。みんなと一緒に居る。だから……もう、変わって欲しくない。
「私が……支えます。」
「お願いね……あたしからの約束よ?」
「はいっ!」
私にしか出来ない事が、きっとある。その為に、私はもっと強くならなくちゃ。
この引継ぎを終わらせて……もっと、咲耶ちゃんの力になる為に。
「……時間ね。一番の衝撃が来るから……覚悟してね。」
「分かりました。」
「さぁ、眼を閉じて……」
目の前は真っ暗。でも、怖くは無かった。
ううん、怖がる必要なんて無かった。これは立派な事。精霊にとって必要な事だから。
「……我が大精霊の力を、汝に……」
何か、凄い力が上から圧し掛かっている、そんな感じがした。
苦しい……でも、我慢しなくちゃ。
今度は、何かが頭の中に流れ込んでくる感じ……これって……エアリナ、様の……
「聞こえる、かしら……最期、に……貴方に、伝えて……おきた、いの……」
エアリナ様の声だけが聞こえた。私の意識も、少しずつ薄くなってきていた。
「咲耶、は……一、人で……全てを抱えてる、から……それを、少しでも……軽くしてあげて……」
声が小さくなっていく。私も……何だか、眠く……
「……ありがとう……」
意識が無くなるその直前。
最後に、エアリナ様の声が聞こえた。
「……はい。」
始まった……私が、大精霊になる為の、大切な儀式が……
「風の大精霊が命ずる……」
口が勝手に動く、不思議な感覚。そしてエアリナ様が唱え始めた瞬間、一瞬意識が薄くなった。
「うっ……んんっ……」
『……しっかり。貴方なら大丈夫よ……』
意識を集中して、倒れないように気をつける。信じられないぐらいの、力が……
長い詠唱……ううん、本当は短かったのかも。でも、私にはとても長く感じられた。
そして……
「……これより、引継ぎを行う。」
そう言った瞬間、私の中の何かが弾け飛んだ気がした。
そして、何も見えなくなった……
「ここは……?」
次に風景が見えた時、そこは、風の空間の広場だった。
ただ、何かが違う……何も、気配を感じられない。
目の前には……私が、居た。
「ここが、か……因縁って言うのは怖いわね……」
「エアリナ……様?」
「結局、最期まで本当のあたしの姿を見せられなかったわね。
空間を出した時ぐらい、過去の記憶から拾ってくれるものだと思ったけど……
そう甘くは無かった、か……」
見た事のある服。あの服って……確か、上位の精霊が着る、あの……
「ごめんなさいね、最期まで……あたしも貴方に頼っていたわ。」
「そんな……エアリナ様が悪いんじゃないです。」
「ふふっ……ありがとう。貴方は優しいのね。」
目の前にいる私は笑顔だった。不思議な感覚、でも、おかしくは無い。
「その優しさ……絶対に、忘れないでね。咲耶は……それを、忘れる時があったから。」
「忘れる時……それって、もしかして……」
「もしも咲耶が道から外れそうになった時……その時は、止めてあげてね。」
「……はい。」
咲耶ちゃんは、時々自分を見失うんじゃないかって思う時があった。
戦っている時の表情とか……怖い時があった。
仕方の無い事かもしれない。だって、咲耶ちゃんはあの酷い戦いを知っているから。
でも……今の咲耶ちゃんは違う。みんなと一緒に居る。だから……もう、変わって欲しくない。
「私が……支えます。」
「お願いね……あたしからの約束よ?」
「はいっ!」
私にしか出来ない事が、きっとある。その為に、私はもっと強くならなくちゃ。
この引継ぎを終わらせて……もっと、咲耶ちゃんの力になる為に。
「……時間ね。一番の衝撃が来るから……覚悟してね。」
「分かりました。」
「さぁ、眼を閉じて……」
目の前は真っ暗。でも、怖くは無かった。
ううん、怖がる必要なんて無かった。これは立派な事。精霊にとって必要な事だから。
「……我が大精霊の力を、汝に……」
何か、凄い力が上から圧し掛かっている、そんな感じがした。
苦しい……でも、我慢しなくちゃ。
今度は、何かが頭の中に流れ込んでくる感じ……これって……エアリナ、様の……
「聞こえる、かしら……最期、に……貴方に、伝えて……おきた、いの……」
エアリナ様の声だけが聞こえた。私の意識も、少しずつ薄くなってきていた。
「咲耶、は……一、人で……全てを抱えてる、から……それを、少しでも……軽くしてあげて……」
声が小さくなっていく。私も……何だか、眠く……
「……ありがとう……」
意識が無くなるその直前。
最後に、エアリナ様の声が聞こえた。
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