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それぞれの想いは交差し、物語を紡ぐ。
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多くの星が輝く夜。
秋の風が吹き抜けて行く。少し冷たい。
時間が掛かるかもしれないと、雪乃と羽衣には伝えた。
何しろ、状況が特殊だ……

「準備はいいか?」
「うん、大丈夫だよ。」
「よし……少し離れるんだ。」

門を開く先を強く思い描く。まずは、桜木の空間に飛ぶ。
その後は、結衣香に任せよう。我の力では、これが限度だ。
魔力の昂りを感じる。体が熱を帯びる。意識が薄れていく。
だがそれを堪え、そっと手を前にかざす。

「……開け……!」

小さく呟くそして、一気に魔力を開放する。激しい衝撃が身に響いた。
それと同時に、桜木の空間へと繋がる門が開いた。
僅かに、あの桜並木の風景が見えている。

「よし、行くぞ幽羅!」
「うんっ!」

二人で門に飛び込む。体が宙に浮く。そして、一瞬意識が途切れる。
次の瞬間には目の前に桜並木の風景が広がっている。

「くっ……!」
「咲耶ちゃん!?」

着地の瞬間に体勢を崩す。魔力と同時に体力も消耗したらしい……
やはり、慣れぬ事はするべきではないな……この状況ではそうも言ってられないが。

「……大丈夫だ……急ぐぞ。」
「う、うん。」

体勢を持ち直し、走る。結衣香は恐らく空間の門だろう……
ここからはそう遠くない……



到着した時、丁度結衣香が出てきた。
……よかった。いなかったら更に時間が掛かっていただろうな。

「あ、あれ?咲耶様!?そんなに慌てて……な、何かあったんですかっ!?」
「結衣香!すまないが、急いで風と森の空間まで、幽羅を連れて行ってくれ!」
「は、はいっ!すぐ準備しますっ!」

急ぎ結衣香に指示を出した。結衣香は準備のためにその場を離れる。
……と、同時に足の力が抜けていった。思わずその場に手をついた。

「さ、咲耶ちゃん!?大丈夫!?」
「す、すまないな……どうやら、予想以上に消耗してしまったようだ……後は一人でやれるな?」
「うん……大丈夫。咲耶ちゃんは、ここで休んで……無理しないで……」
「ああ……分かった。」

幽羅の手を借りて、何とか立ち上がる。
確かに、休まねば身が持たない……

「準備できました!いつでも行けます!」
「よし……幽羅。後は、お前自身で何とかするんだ。いいな?」
「分かってるよ……大丈夫。絶対に、上手く行くから。」

その表情には、確かな自信があった。
……成長しているな、幽羅……

「そうだな……」
「それじゃあ、行って来るよ!」

幽羅は笑顔で門の中へ飛び込んだ。
頼むぞ幽羅、エアリナ……我は、友を失いたくないのだ……
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