それぞれの想いは交差し、物語を紡ぐ。
幸いな事に、治癒の聖所に到着するまで、一度も敵に遭遇しなかった。
気配だけはあったが……出てこなかったという事か。
「……ここは何時来ても、気が安らぐな。」
「そうだね~……」
過去に、山岳地帯で依頼を受けた際も、必ずここに立ち寄っていた。
ここに居ると、自然と体が楽になる。
「ジエンディアにはこういう場所もあるんだな……魔界とは違うな。」
「ここだけが特殊、と言うべきだな。」
「そうか。それにしても……どうしてあんたがこの世界にいる?」
人狼は地面に座りながら聞いた。
我と幽羅も、向かい合うようにして座った。
「似たような理由だと思うがな、魔界の白き光、クラッド・レイヴァラント。」
「……流石だな、木之花咲耶姫。それと……」
「神樹幽羅だよ。」
「かんなぎ……不思議な名だな。まぁそれはともかく、似たような理由ってのは、神界絡みか?」
「ああ、そうだ。」
今思えば、奴もよく考えたものだ……まさか、一連の事態を予測したのではあるまいな。
まぁ、問題が具現化し始めた頃の奴の様子を見た限りでは、そうでもなさそうだが……
「へぇ……噂通りだな、あんたと神王の関係ってのは。」
「……どういう噂かは知らんが、余り詮索するなよ。」
「わかってる。これ以上は触れないさ。にしても……」
クラッドは腕に出来た傷を見ていた。治癒効果のおかげで、かなりの速さで傷が塞がって行く。
「あの熊の凶暴化具合は酷いもんだな……この俺に傷を付けやがった……」
「確かに……我らがここに来るまでに、他の魔物の死体を見かけたが……」
「ああ、それも熊の仕業だ。恐ろしいもんだぜ……」
そう、我の予想以上だった。放置していたら、どうなっていた事か……
それに、まだ気配が残っていたと言う事は、脅威が消えたわけではない……
「正直、助かったよ。長期戦になってたら俺も危なかった。感謝するよ。」
「……ああ。」
「それにしても、あの風魔法にゃ驚いたぜ。見かけによらず強いんだな。」
「そ、そうかな?」
幽羅は少し恥ずかしそうに言っていた。
「ああ、間違いない。将来が楽しみだな?色んな意味で。」
「……何か別の意味が混じってないか?」
「はっはっはっ!気にすんな!」
この男……案外軽い男だな。まぁ、悪くない。
「さて、もう少し休んだらもう一頑張りってとこか?」
「そうだな。ある程度数を減らしておけば大丈夫だろう。幽羅も行けるな?」
「大丈夫!」
少し元気が戻ったようだ。この後も、何とかなりそうだな……
少し休んだ後、もう一度気配を強く感じる一帯へと足を踏み入れた。
予想通り熊達が襲ってきたが、今度は連携を組み、確実に熊を倒していった。
「よっしゃ、こいつで!」
「これで……トドメだっ!」
完全に息が合った飛び蹴りを一体の胴体に直撃させる。
吹き飛ばされ、そのまま絶命した。
「よし、こんなもんだな。しかし、流石は桜木の姫さん。凄い格闘の腕だな。」
「何、この程度どうと言う事はないさ。幽羅もよく動いていた。」
「えへへ。」
今回は幽羅も近接戦に参加した。我よりも早く動いていた時もあった。
「あんた達がいれば、当分こいつらが出ても問題なさそうだな。俺は一旦魔界に帰るよ。」
「そうか。では、魔王殿によろしく伝えておいてくれ。」
「りょーかい。じゃあ、また会おう。」
そう言って、奴の体が光に包まれ、そして消えた。
「さて、我らも戻るとするか。体は大丈夫か?幽羅。」
「うん、大丈夫。魔力を使って、少し楽になったみたい。」
「そうか……よし、では戻ろうか。」
気配は薄くなった。当分は、出てくる事もないだろう。
それに、幽羅の力の混濁も消えていた。落ち着いてくれたようだ。
しかし……それだけでは、解決にならないのが現状だ……
気配だけはあったが……出てこなかったという事か。
「……ここは何時来ても、気が安らぐな。」
「そうだね~……」
過去に、山岳地帯で依頼を受けた際も、必ずここに立ち寄っていた。
ここに居ると、自然と体が楽になる。
「ジエンディアにはこういう場所もあるんだな……魔界とは違うな。」
「ここだけが特殊、と言うべきだな。」
「そうか。それにしても……どうしてあんたがこの世界にいる?」
人狼は地面に座りながら聞いた。
我と幽羅も、向かい合うようにして座った。
「似たような理由だと思うがな、魔界の白き光、クラッド・レイヴァラント。」
「……流石だな、木之花咲耶姫。それと……」
「神樹幽羅だよ。」
「かんなぎ……不思議な名だな。まぁそれはともかく、似たような理由ってのは、神界絡みか?」
「ああ、そうだ。」
今思えば、奴もよく考えたものだ……まさか、一連の事態を予測したのではあるまいな。
まぁ、問題が具現化し始めた頃の奴の様子を見た限りでは、そうでもなさそうだが……
「へぇ……噂通りだな、あんたと神王の関係ってのは。」
「……どういう噂かは知らんが、余り詮索するなよ。」
「わかってる。これ以上は触れないさ。にしても……」
クラッドは腕に出来た傷を見ていた。治癒効果のおかげで、かなりの速さで傷が塞がって行く。
「あの熊の凶暴化具合は酷いもんだな……この俺に傷を付けやがった……」
「確かに……我らがここに来るまでに、他の魔物の死体を見かけたが……」
「ああ、それも熊の仕業だ。恐ろしいもんだぜ……」
そう、我の予想以上だった。放置していたら、どうなっていた事か……
それに、まだ気配が残っていたと言う事は、脅威が消えたわけではない……
「正直、助かったよ。長期戦になってたら俺も危なかった。感謝するよ。」
「……ああ。」
「それにしても、あの風魔法にゃ驚いたぜ。見かけによらず強いんだな。」
「そ、そうかな?」
幽羅は少し恥ずかしそうに言っていた。
「ああ、間違いない。将来が楽しみだな?色んな意味で。」
「……何か別の意味が混じってないか?」
「はっはっはっ!気にすんな!」
この男……案外軽い男だな。まぁ、悪くない。
「さて、もう少し休んだらもう一頑張りってとこか?」
「そうだな。ある程度数を減らしておけば大丈夫だろう。幽羅も行けるな?」
「大丈夫!」
少し元気が戻ったようだ。この後も、何とかなりそうだな……
少し休んだ後、もう一度気配を強く感じる一帯へと足を踏み入れた。
予想通り熊達が襲ってきたが、今度は連携を組み、確実に熊を倒していった。
「よっしゃ、こいつで!」
「これで……トドメだっ!」
完全に息が合った飛び蹴りを一体の胴体に直撃させる。
吹き飛ばされ、そのまま絶命した。
「よし、こんなもんだな。しかし、流石は桜木の姫さん。凄い格闘の腕だな。」
「何、この程度どうと言う事はないさ。幽羅もよく動いていた。」
「えへへ。」
今回は幽羅も近接戦に参加した。我よりも早く動いていた時もあった。
「あんた達がいれば、当分こいつらが出ても問題なさそうだな。俺は一旦魔界に帰るよ。」
「そうか。では、魔王殿によろしく伝えておいてくれ。」
「りょーかい。じゃあ、また会おう。」
そう言って、奴の体が光に包まれ、そして消えた。
「さて、我らも戻るとするか。体は大丈夫か?幽羅。」
「うん、大丈夫。魔力を使って、少し楽になったみたい。」
「そうか……よし、では戻ろうか。」
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それに、幽羅の力の混濁も消えていた。落ち着いてくれたようだ。
しかし……それだけでは、解決にならないのが現状だ……
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