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それぞれの想いは交差し、物語を紡ぐ。
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「……ここは……?」

……夢、見てるのかな。
目の前は霧で真っ白。ううん、前だけじゃない。
何処を見ても真っ白……ここは、何処なんだろう?

「……?」

何処からか声が聞こえた気がする。
でも、何処から聞こえたかはわからない。

「どうなってるんだろ……」

でもちょっとだけ、知ってる場所のような気がした。
何も見えないからなんとなくだけど……
この感じ……何処だろう……?



「……それはまた不思議な夢だな。」
「うん……こんな事初めてだよ。」

幽羅が見た夢、そして声……
その理由は分かっている。だが、それを伝える事は出来ない。
それはエアリナとの約束……



「……精神に直接語り掛ける、か。」
「他者との干渉もなるべく避けたいの。正直、手段としてはもうこれしかないわ……」
「そうだな……」

……エアリナに取れる、限界の手段。これ以上の事は出来ないだろう。

「咲耶……一つお願いがあるんだけども。」
「この件の事だろう?幽羅には伏せておく。」
「……ありがと、咲耶……」



「もしかしたら……何かの暗示かもしれないな。」
「そうなのかなぁ……」

正直、隠し通せる気がしない。
いずれは感づくだろう……それが、何時になるかは分からないが。
それまでは、まだ伏せておくしかない……



「……む、王室からの依頼か。これは……」
「エリアス近郊のポウ邸宅から不穏な気配有り、至急調査を……ですね。」
「あそこには魔物がいるのはわかっているが……今の所被害は出ていないはずだが。」
「何か、別の物が動いているのかもしれませんね……」

ポウ邸宅と言えば、エリアスから闇の森に向かい、その奥地にある洋館。
昔は人が住んでいたのだろうが、現在では多くの魔物が巣食う場所となっている。
しかし、今までエリアスに対しての被害は殆ど無かった。それが急に調査が必要になったとなると……

「とりあえず、準備をして向かおう。何が起こるかわからん……」
「はい。」

幽羅と羽衣にも伝え、一路ポウ邸宅へと向かう。
何事も無かったあそこに、何が……?
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