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それぞれの想いは交差し、物語を紡ぐ。
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「僕が殺される前にも、犠牲になった子供がいた……」
「羽衣が迫害を受けている時に、村人の犠牲者が出始めた……それは僕も確認してる。
 ……恐らく、怨みが今までの怨念を呼び寄せた形になったんだと思う。」

あの僕の後ろにいた子供は、つまりそういう事なんだと思う。
僕がまだ人間だった頃、知らず知らずの内に怨念を呼び寄せていた。
その結果が……あの、僕……

「……村人の話では、十年に一度、この村に来る神の為に生贄を捧げる事になっていたらしい。
 でも、痕跡を調べてもここ暫くその神とやらが来た様子は無いんだ。」
「生贄なんて、必要無かった……」

何も罪の無い子供達が、殺される……どうして、こんな事が……?

「神がもう来ない事が、その当時の村人には分からなかったのかもしれない。」
「……僕が羽衣に初めて会った時……その時は、僕以外に神とか、神族がいた気配はしなかった。
 そもそも、生贄の事そのものを知らなかったけれども……」

……いや、それだけじゃない……もしかしたら、あの僕が殺した村人だって……

「……僕が……怨念を……うぐっ!?」
「う、羽衣っ!?」
「羽衣さん!!」

急に、胸を締め付けられるような痛みが襲う。
また、意識が薄れていく。これは……呼んでる……?

「あ……ぐっ……いか、な……く……」

……行かなくちゃ。みんなの元へ。



そこは薄暗い家の中。何処か、見覚えのある風景。

「おかえり。」

そこに佇んでいた、もう一人の僕。不思議と、禍々しさを感じない。
あの僕は怨念その物のはずなのに。

「……本音を言ってもいい?」
「なぁに?」
「僕を呼ぶ方法、もっと穏やかに出来ないの?」
「ふふふっ……分かってるくせに。」

ああでもしないと呼び出せない、それ相応の事情がある。
……間違いなく、そこは怨念らしいと思う。

「……僕には知らない事がたくさんある。けど、貴方なら、それを知っている……そんな気がする。」
「そう……貴方はそう思うんだ?」
「うん。貴方が怨念その物だって言うのなら……」

僕の知らない所で、全ては動いていた。
その事を、僕は余りにも知らなさすぎる。

「……教えて。もっと、貴方の事を。」
「いいよ。その為に、ここに呼んだんだもの。
 ここなら、他人の影響を受けないから。そう、ここは絶対。」

あぁ、そうだ。ここは……僕の、家だ。
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