それぞれの想いは交差し、物語を紡ぐ。
「わぁ……」
目の前に広がっていたのは、雪でも降ったのかと思うぐらい白い世界だった。
それに、凄くシンプル。威圧感がないと言うか……
「こちらで少々お待ち下さい。」
「あ、はい。」
そして来たのは待合室。ここも白い壁に白いソファーとテーブル。
とりあえず、近いソファーに座って待ってようかな。
……神王様と本当に会うんだと思うと、とんでもなく緊張する。
突然の事だったし、きっと機嫌が悪いんだろうなぁ……
「はぁ……自分の事とはいえ、いざ目前にすると余計に恐ろしい……」
「まぁ、私の事をあまり知らない人ならそうなるのも無理はないかな?」
「ひゃうっ!?」
突然後ろから話し掛けられて、思わず変な声を上げてしまった。
「え、あの、その、もしかして……し、神王様!?」
「初めましてだね、神楽火羽衣さん。私が神王……アルフォードだ。よろしく。」
この人が……神王様……
白い髪をポニーテールにして、ワイシャツにジーンズ……・
って、本当に神王様?なんか、凄いラフな感じ……
「そんなに堅くならなくても大丈夫。咲耶からの連絡が来ているからね。」
「あ……やっぱり咲耶様が……」
「咲耶の頼みとなれば、断るわけにはいかないからね。」
咲耶様の頼みは断れない……やっぱり神王様なんだ。
もっと厳しい人なんだって思ってたけど……
「想像と違ってたかな?まぁ、よくある事なんだけどね。」
「そ、そうなんですか……?」
そう言って笑顔を見せる神王様。
凄い気さくな人なんだ……ちょっと安心した。
「堅苦しいのは私の好みじゃないし、この方が色々とやりやすい。
部下からはもっと王様らしくしろって言われてるけど、
別にフレンドリーな王様がいてもいいと思わないかい?」
「うーん、どうなんでしょう……?」
「まぁ、それはそれとして……君は実に不思議な力を持っているね。」
早速、僕の今の状態を見ていた。
神王様だけに、僕がどんな状況になっているかはすぐに分かるんだと思う。
……あの、禍々しい意思を持った、もう一人の僕。
「元人格とは別の、意思そのものがもう一つの人格を形成している……
ここまではっきりしているのは、私も数例しか見た事がない。」
「……稀な事、なんですね。」
「それなりにね。いや、君のような存在は私も初めてかもしれない……」
僕の体を眺める目つきが、時々鋭くなる。
もしかしたら……僕が気づいていない事も分かるのかも……?
「……距離を離していても、その影響が残る……
恐ろしいな、そんな状況になるまで力を溜めこんでいたと言うのか……?」
「僕の……そのもう一つの意思が、人を殺す所まで……」
「……そうか……もう、そこまで……」
今でも、昔の事を思い出すと胸が苦しくなる。
……そして、取り返しのつかない事をしてしまった事も……
「大体の状況は分かったよ。君が今不安定な状況にあるのもね。
ただ、今のその状況を生み出しているのは、君のもう一つの意思だけが原因じゃない。」
「え……?」
「恐らく、その意思が……何か別の負の感情を持った何かを取りこんでいる。
それが何かまでは、判断材料が足りないから何とも言えない……」
「別の……」
僕以外の、強い恨みを持った何か……
幾つか心当たりはあった。けど、それが本当かどうか……それが分からない。
「……何か心当たりがあるみたいだね。」
「神王様、僕を第二大陸に行かせてください。僕の……生まれて、死んだ場所に。」
「……分かった。しかし、君一人だといざという時に何があると困るだろうから、私も付いて行くよ。」
「えっ……ええっ!?」
まさかそうなるとは思ってなかった。
でも、確かに僕一人で、もしまたあの時のような事になったら……
「わ、分かりました……お願いします。」
「うん、よろしく、羽衣さん。それじゃぁ、転送室に行こうか。」
神王様と一緒なら、何かあっても絶対大丈夫。
それにきっと、あの村で……僕の故郷で、全てが分かる……そんな気がする。
目の前に広がっていたのは、雪でも降ったのかと思うぐらい白い世界だった。
それに、凄くシンプル。威圧感がないと言うか……
「こちらで少々お待ち下さい。」
「あ、はい。」
そして来たのは待合室。ここも白い壁に白いソファーとテーブル。
とりあえず、近いソファーに座って待ってようかな。
……神王様と本当に会うんだと思うと、とんでもなく緊張する。
突然の事だったし、きっと機嫌が悪いんだろうなぁ……
「はぁ……自分の事とはいえ、いざ目前にすると余計に恐ろしい……」
「まぁ、私の事をあまり知らない人ならそうなるのも無理はないかな?」
「ひゃうっ!?」
突然後ろから話し掛けられて、思わず変な声を上げてしまった。
「え、あの、その、もしかして……し、神王様!?」
「初めましてだね、神楽火羽衣さん。私が神王……アルフォードだ。よろしく。」
この人が……神王様……
白い髪をポニーテールにして、ワイシャツにジーンズ……・
って、本当に神王様?なんか、凄いラフな感じ……
「そんなに堅くならなくても大丈夫。咲耶からの連絡が来ているからね。」
「あ……やっぱり咲耶様が……」
「咲耶の頼みとなれば、断るわけにはいかないからね。」
咲耶様の頼みは断れない……やっぱり神王様なんだ。
もっと厳しい人なんだって思ってたけど……
「想像と違ってたかな?まぁ、よくある事なんだけどね。」
「そ、そうなんですか……?」
そう言って笑顔を見せる神王様。
凄い気さくな人なんだ……ちょっと安心した。
「堅苦しいのは私の好みじゃないし、この方が色々とやりやすい。
部下からはもっと王様らしくしろって言われてるけど、
別にフレンドリーな王様がいてもいいと思わないかい?」
「うーん、どうなんでしょう……?」
「まぁ、それはそれとして……君は実に不思議な力を持っているね。」
早速、僕の今の状態を見ていた。
神王様だけに、僕がどんな状況になっているかはすぐに分かるんだと思う。
……あの、禍々しい意思を持った、もう一人の僕。
「元人格とは別の、意思そのものがもう一つの人格を形成している……
ここまではっきりしているのは、私も数例しか見た事がない。」
「……稀な事、なんですね。」
「それなりにね。いや、君のような存在は私も初めてかもしれない……」
僕の体を眺める目つきが、時々鋭くなる。
もしかしたら……僕が気づいていない事も分かるのかも……?
「……距離を離していても、その影響が残る……
恐ろしいな、そんな状況になるまで力を溜めこんでいたと言うのか……?」
「僕の……そのもう一つの意思が、人を殺す所まで……」
「……そうか……もう、そこまで……」
今でも、昔の事を思い出すと胸が苦しくなる。
……そして、取り返しのつかない事をしてしまった事も……
「大体の状況は分かったよ。君が今不安定な状況にあるのもね。
ただ、今のその状況を生み出しているのは、君のもう一つの意思だけが原因じゃない。」
「え……?」
「恐らく、その意思が……何か別の負の感情を持った何かを取りこんでいる。
それが何かまでは、判断材料が足りないから何とも言えない……」
「別の……」
僕以外の、強い恨みを持った何か……
幾つか心当たりはあった。けど、それが本当かどうか……それが分からない。
「……何か心当たりがあるみたいだね。」
「神王様、僕を第二大陸に行かせてください。僕の……生まれて、死んだ場所に。」
「……分かった。しかし、君一人だといざという時に何があると困るだろうから、私も付いて行くよ。」
「えっ……ええっ!?」
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でも、確かに僕一人で、もしまたあの時のような事になったら……
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それにきっと、あの村で……僕の故郷で、全てが分かる……そんな気がする。
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