それぞれの想いは交差し、物語を紡ぐ。
庭に出て、門を開く準備をする。状況は悪くない。
以前、幽羅を送った時のように意識を集中させ、桜木の空間を思い浮かべる。
「……開け!」
声と共に魔力を開放する。今回は安定しているようだ……衝撃が以前より少ない。
門には見なれた桜並木が見えていた。
「着いたら結衣香か天音に、我からの頼みと伝えるといい。」
「分かりました、それじゃあ行ってきます!」
元気のいい挨拶を残し羽衣は門を通り、そして門は消えた。
「……む。」
少し身体がふらつく。前回よりは良くなっているが、まだ完全ではないようだ。
多少休めば問題は無いだろう……
「あっ、咲耶ちゃん!門を開いてたけど、どうしたの?」
幽羅が我の横に着地する。また空から戻ってきたのか……
まぁ、風の精霊らしいと言えばそうかもしれない。
「少し羽衣が別件で動くから、その為にだ。」
「そうなんだ、すぐ戻ってくるのかな?」
「……羽衣次第だな。」
素直に受け入れる……それが出来るかどうか。
もしかしたら、我の思っている以上に重い事になるかもしれない。
……だが、手は出せない。
「そっか……羽衣ちゃん、大丈夫だよね?」
「ああ……大丈夫だろう。」
他人の過去に深入りはしたくない。後は、羽衣が一人で何とかする。
……我は我の、果たすべき使命がある。
「……きっと、な。」
「咲耶ちゃん……」
「さて……少し休んだら、依頼を何とかするとしようか。」
「う、うん。」
何、きっと大丈夫だ……羽衣は、弱者ではない。
「あら?貴方は……」
桜木の空間に降りた時、すぐ近くに咲耶様のお手伝いさん……だったかな……の、天音さんがいた。
「えっと、天音さん……ですよね。」
「はい、そうですよ。ここに来たと言う事は……咲耶様が?」
「あの、ここから神界に連れて行ってもらいたくて、咲耶様にお願いしたんです。」
「そうだったんですか……分かりました、ではこちらに。」
天音さんの後についていくと、見覚えのある門が見えてきた。
……あの時は、自分の身が滅ぶかもしれなかった。今思えば、恐ろしい事だった。
いや、今も変わってないのかもしれない。
「準備をするので、少し待っていてくださいね。」
「あ、はい……」
……急に不安になる。もしかしたら、僕自身の身にとても恐ろしい事が起こるような……
それも、前よりも危険な事になるかもしれないと言う不安。
でも、それも元を辿れば過去の僕がその中心にいる。なら、僕自身で何とかしないといけない。
「……しっかりしなくちゃ。」
もう逃げていられない。僕自身で、決着をつけないと……
「お待たせしました。何時でも行けますよ!」
「……はい、ありがとうございます。」
門の先に少しだけ見える、神界の風景。そういえば、神界に行くのは久しぶりかな。
……ちゃんと、神王様にも挨拶しなくちゃ。門の中に飛び込む。
「お気をつけて!」
天音さんの声が聞こえた直後、視界が一瞬白く染まった。
以前、幽羅を送った時のように意識を集中させ、桜木の空間を思い浮かべる。
「……開け!」
声と共に魔力を開放する。今回は安定しているようだ……衝撃が以前より少ない。
門には見なれた桜並木が見えていた。
「着いたら結衣香か天音に、我からの頼みと伝えるといい。」
「分かりました、それじゃあ行ってきます!」
元気のいい挨拶を残し羽衣は門を通り、そして門は消えた。
「……む。」
少し身体がふらつく。前回よりは良くなっているが、まだ完全ではないようだ。
多少休めば問題は無いだろう……
「あっ、咲耶ちゃん!門を開いてたけど、どうしたの?」
幽羅が我の横に着地する。また空から戻ってきたのか……
まぁ、風の精霊らしいと言えばそうかもしれない。
「少し羽衣が別件で動くから、その為にだ。」
「そうなんだ、すぐ戻ってくるのかな?」
「……羽衣次第だな。」
素直に受け入れる……それが出来るかどうか。
もしかしたら、我の思っている以上に重い事になるかもしれない。
……だが、手は出せない。
「そっか……羽衣ちゃん、大丈夫だよね?」
「ああ……大丈夫だろう。」
他人の過去に深入りはしたくない。後は、羽衣が一人で何とかする。
……我は我の、果たすべき使命がある。
「……きっと、な。」
「咲耶ちゃん……」
「さて……少し休んだら、依頼を何とかするとしようか。」
「う、うん。」
何、きっと大丈夫だ……羽衣は、弱者ではない。
「あら?貴方は……」
桜木の空間に降りた時、すぐ近くに咲耶様のお手伝いさん……だったかな……の、天音さんがいた。
「えっと、天音さん……ですよね。」
「はい、そうですよ。ここに来たと言う事は……咲耶様が?」
「あの、ここから神界に連れて行ってもらいたくて、咲耶様にお願いしたんです。」
「そうだったんですか……分かりました、ではこちらに。」
天音さんの後についていくと、見覚えのある門が見えてきた。
……あの時は、自分の身が滅ぶかもしれなかった。今思えば、恐ろしい事だった。
いや、今も変わってないのかもしれない。
「準備をするので、少し待っていてくださいね。」
「あ、はい……」
……急に不安になる。もしかしたら、僕自身の身にとても恐ろしい事が起こるような……
それも、前よりも危険な事になるかもしれないと言う不安。
でも、それも元を辿れば過去の僕がその中心にいる。なら、僕自身で何とかしないといけない。
「……しっかりしなくちゃ。」
もう逃げていられない。僕自身で、決着をつけないと……
「お待たせしました。何時でも行けますよ!」
「……はい、ありがとうございます。」
門の先に少しだけ見える、神界の風景。そういえば、神界に行くのは久しぶりかな。
……ちゃんと、神王様にも挨拶しなくちゃ。門の中に飛び込む。
「お気をつけて!」
天音さんの声が聞こえた直後、視界が一瞬白く染まった。
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