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それぞれの想いは交差し、物語を紡ぐ。
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視界が戻った時、そこに見えていたのは見慣れた館の玄関だった。
空は僅かに日が暮れかけている。

「……長い間、留守にしたような気分だな。」
「そうだね……」

玄関の扉を開ける。時間にしては短いだろうが、少し懐かしい気がする。
そしてそこに居たのは、たまたまそこを通っていただろう雪乃だった。
何時もの巫女の服だ……頭の鈴は外していたが。

「あっ……」
「ただいま、雪乃。」
「ただいま~!」
「おかえりなさい、咲耶様、幽羅様……無事に帰ってこられて良かったです……」

明るい雪乃の表情。ずっと待っていたんだろうな……我と幽羅を。

「待たせてすまないな……」
「いえ、いいんです……幽羅様は無事に?」
「もう大丈夫だよ。心配掛けさせてごめんね……」

少ししょんぼりとしている幽羅に、雪乃は笑顔で返した。

「幽羅様が無事に大精霊になれたのでしたら、それでいいんです。でも、本当に良かった……」
「ふふっ……さて、我は少し休む事にするよ。色々あって、少々疲れたんでな……」
「分かりました。」

色々と話したい事はあるが、まずは少し休んでおかなければ。
肉体構築の直後はある程度疲労が溜まっている状態だ。

「幽羅も休んでおけ。」
「わかったよ~。実はちょっと眠かったり……」

少し体を伸ばしつつ、我の部屋へ。しっかりと掃除されている。
我が何時帰って来ていいように……雪乃には、礼を言わなくてはな。
それにしても……こうして我の部屋を見るのも、何だか久しい気がする。
構築した肉体が、少し重く感じる。本来の姿である時には感じない物だ。

「……少し、眠るかな……」

恐らくは構築の時の衝撃であろう疲れが出ていた。
……無理はしない方がいいな。全ての問題が解決したわけではないんだ……

「大精霊、か……」

横になり、ふと我が大精霊になった頃を改めて思い出す。
最初はその力や役目に振り回されていた……理解し難い事もあった。
だが、大精霊にしか出来ない事があり、そしてその事がどれだけの意味を持つか。
それにちゃんとした形で気づいてからは、少し楽になった気がする。
……今となっては、ただの昔話になってしまうがな……



「……エアリナ様……」

間違いなく、今のあたしはエアリナ様の力を引き継いでいる。
それに、本当だったら空間に残った方がいいんだと思う。
けど……あたしは、咲耶ちゃんの傍にいる。
エアリナ様が、あたしに託した事……出来なかった事を、あたしがやらなくちゃ。
……何だか、眠い。やっぱり、体を持つと色々変わるんだなぁ……
やっぱり、まだ色々心配かな……咲耶ちゃんも言ってたし、今は寝ようっと。
これから、色々ありそうだし……今は休んで、これから頑張ろう。
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