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それぞれの想いは交差し、物語を紡ぐ。
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「……気配は感じていた。だが……まさか、幽羅の身体を借りていたとはな。」
「……仕方ないでしょ。あたしだって予想外だったんだから。」

こんな形で咲耶と話をするなんて、思ってなかった。
あの時、あたしが油断していなかったら……
でも、こうなってしまった以上は、あたしが何とかしないといけない。

「全く、お前も無茶をする……水面下の事にしておいたのは最後の良心か?」
「下手に混乱させるよりはマシだと思ってね。ダメだったかしら?」
「……いや……いいさ。完全に崩壊して、世界の均衡を崩すよりはな。」
「身体を持っても相変わらずなのね、貴方は……まぁ、そこが貴方らしいんだけども。」

そう、あたしと言う存在が完全に消滅していれば……
今、こうして何事も無かった様にするなんて出来ない。
……これはこれで、問題なのだけれども……仕方ないわね。

「まぁ、あたしはあたしで問題の解決に全力を尽くすわ。
 そうじゃなきゃこの子にずっと迷惑掛けちゃうからね。」
「……頼んだぞ、エアリナ。」

……あたしが、何とかしないとね。手遅れになる前に……



ここの広場は何時も綺麗でいいわね……
でも……不穏な気配がする。何かが、ここに入り込んだ?

「エアリナ様っ!た、大変ですっ!」
「あら?どうしたの慌てて?」

慌しく入ってくる彼。あたしの予想が当たっていれば……

「く、空間に、侵入者が!真っ直ぐこちらに……」
「……!危ない、伏せてっ!」
「え……?」

彼の真後ろに見えた黒い影……あれが、入り込んできたって言うの!?
空間を飛び越えてまで殺しに来た……!?

「はぁっ!」

即発動出来る風魔法で足止め……彼も今気づいたけども、ここに来るまで気配が無いなんて……
こんなになるまで放置するなんて……神界は何をやっているの……!

「くっ……厄介な相手ね……」
「か、加勢します!」
「お願い!……さぁ、あたしが相手よ!」

真っ黒な影が飛び掛ってくる……それを風魔法で迎撃する。
ここが広くて良かった……室内だったら、逃げ場が無かった。

「あいつを足止めして!」
「はいっ!」

足止めを頼み、詠唱に入る。お願い、間に合って……!

「……我、風の精霊としてここに命ず……」

あたしが持つ中で一番の威力を持つ魔法……これで、倒せれば……!

「……!?」

不意に、背後から強烈な気配を感じた……けど、遅かった。
直後、激しい痛みが身体を襲った。気配も、挙動も無しに、こんな……

「がっ……ああっ……」

……抜かった……まさか、あんな……背後を取られるなんて……
でも、まだよ……まだ、あたしは……

「はっ……エアリナ様!!」
「ま、まだ……動く……やれる……っ!」

こうなったら……最後の、手段ね……これから生まれてくる子には悪いけども……
その子身体、借りるしかない……

「……我が道、を……害する物を……斬り刻めっ……!」

それに向かって激しい竜巻が起こる……これで、倒せれ、ば……
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