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それぞれの想いは交差し、物語を紡ぐ。
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館に戻り、自分の部屋で体を休める。
……あの、熊達の気配。今までに戦った、あの黒い魔物達に似ている。
やはり、裏で関与していると見て間違いないようだ。
だが、それよりも……今感じる、幽羅の気配。
幽羅はもう眠っている。眠っているのに、感じる強い気配。
……エアリナ、頼む……あまり、長引かせるな……



間違いない。ここは、みんなが集まる広場。
おしゃべりしたり、遊んだり……ここで、色んな事をしていた。
そして、薄い霧の、その真ん中に誰かが居る。
考えなくても、分かった。あの声の人だって。
広場の真ん中へ走った。霧の先に居たのは……

「え……?」
「……ようやく……来て、くれた……わね……」

そこに居たのは、私だった。けれど、声が違った。
声が違うだけで、後は全く変わらない、まるで鏡を見ているみたいに。
けれど……消えかけている。声も、とても小さくて……

「久し…ぶりに、自分の声で……話せたのに……これ、じゃ…それ程…………せそう、も……」

でも、何処かで聞いた事がある声。
何処か……ずっと前に、そう、この声……

「……大精霊、様……!?」

そう、この声は、大精霊様の声……!
で、でも、どうして……ずっと、行方不明のままだって……!?

「……ここ、では……上手く………話せ…から……空間へ…………急いで……」

声が聞こえなくなっていく。空間……風と森の空間の事だと思う……そこでなら……!

「分かりました!だから……お願いします、まだ消えないで……!!」
「あり、がとう……」

時間がない。そして、このままじゃ危ない事も。
急がなきゃ……空間へ!



「咲耶ちゃん!」
「む、幽羅?どうし……」

幽羅の表情を見て、言葉が詰まった。
まるで、今から戦いに出るような真剣な表情。
そして感じられる気迫……この状況を悟ったか、幽羅。

「一旦、風の空間に戻るよ!多分、咲耶ちゃんなら分かってると思うけど……」
「……ああ。だが、一人で空間を開けるか?」
「え、えっと……それは……」
「だろうな……我が門を開けよう。」

久々に、自分の力で門を開く時が来たか……
だが、幽羅の事を考えれば、行わないと言う選択肢はない。

「もう一度、ちゃんと準備をしておけ。何が起こるかわからんぞ。」
「わかった!」

意思は固いようだ。後は、無事に移動し、そして引継ぎが成功するかどうか、か……
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