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それぞれの想いは交差し、物語を紡ぐ。
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少しずつ、霧は晴れてきてる。
そう言えば、ここには長い間戻ってないなぁ……
でも今は、目の前にある事を何とかしなくちゃ。

「ここへ……早く……」

声が聞こえる。前よりはっきりしている。
絶対に、何処かで聞いた事のある声。
私に深く関係のある、この声。

「こっちは違う……こっちでもない……うーん……?」

晴れてきてるって言っても、まだ全部晴れたわけじゃない。
頼りになるのは声だけ。その声も、ずっと聞こえるわけじゃない。
……思い出さなきゃ。こんどはこっち……

「あっ!」

少し開けた場所に出た。ここって、確か……あの、広場かな……



「……うぅん……」

そこで目が覚めた。
ちょっとずつだけど、ちゃんと近づいてる、そんな気がする。
もう少し、もう少しで……あの声の場所に……



「……やはり、気づいていたか……」
「あっ、これって……神界からのお手紙?」

羽衣が手にしていたのは、神界からの手紙だった。
純白の紙に青い特殊な文字で書かれている。

「その通りだ……我は、神王と繋がりがあるからな。」
「そ、そうだったんですか……でも、手紙が来るって事は、何かあったんですか?」
「ああ……だが、これは幽羅に関わる事だな。」
「え?」

文面は普段のあやつからは少し考えられない真面目な文だ。
無論、神王である以上、普段から威厳のある所を見せて欲しいものだが……
今、それは問題ではない。

「……羽衣、すまない、少し一人でいさせてくれ……」
「あっ、はい。」

一人、手紙を持って部屋に戻った。
そして椅子に座り、改めて手紙を読み直す。



やぁ咲耶。そちらでは元気にやっている?
こっちは事務仕事に、今そっちでも確認できているであろう、
魔物の存在に関しての仕事で少し忙しいよ。

さて、こちらでも感じる事が出来たけど……
エアリナ……もう、時間が無いみたいだね。
後は幽羅ちゃん次第だけど……正直、どうなるか……
何しろ、状況が特殊なんだ……でも僕は、幽羅ちゃんなら出来ると思っているよ。
あの子は明るいし、元気で、それでいてしっかりしている。
彼女なら、きっと大丈夫だ。
咲耶も、応援してやって欲しい。

それと……魔物の事だけど、最近動きが更に活発になってきている。
恐らくそちらにも影響は出ていると思う、十分に警戒して欲しい。

それじゃあ、また機会がある時に。



「……問題は多い、か。」

幽羅の事は気になる。だが、同時に世界に対する侵食も起こっている。
なるべく早く、これらの事項にケリをつけなくてはならない。
……課題は、多く残されているのだ。
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