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それぞれの想いは交差し、物語を紡ぐ。
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ようやく敵の親玉と思わしき魔物を見つけた。が……

「お前は……」

粗方の敵を倒し、奥にいた魔物は、あの時見た物と似ていた。
だが……違う。奴の持つ空気……それが違うのだ。
あれは……羽?本当に悪魔のような……

「ホホウ、貴様ガ我ガ同胞ヲ殺シタ女カ。此処マデ来ルトハ、流石ダナ。」
「……奴と繋がっている者か……」
「さ、咲耶様……?」

羽衣が思わず後退りする。無理もない、あんな異形の者は見た事がないだろう。

「威勢ガアルノハ貴様ダケカ?笑ワセテクレル。」
「……その余裕も、一瞬で崩してやる。」

手に力が入る。奴は……生かしてはおけない。

「ナラバ来ルガ良イ!貴様ヲコノ手デ捻リ潰シテクレル!」

それは我らが居る場所に飛びかかってきた。
……一瞬であるが、鋭い爪が見えた。

「幽羅!羽衣!近寄りすぎるな!」
「わかったよ……きゃあっ!?」

幽羅の足元に火の玉が落ちた。
奴は魔法も扱えるのか……近寄れば爪を、離れれば魔法を……

「くっ、厄介だな……!」
「……捕らえる!」

直後、雪乃が弓を放った……が、簡単に弾かれてしまった。

「なら、これでどうだっ!」

羽衣の火炎弾が奴の頭上から降り注ぐ。

「フン、ヌルイワ!!」
「そんな……!?」

しかし、効いている様子は無かった。
やはり、こうなっては接近戦を……
いや……なんだ、この気配は……!?

「……我、風の精霊としてここに命ず……」
「ゆ、幽羅……!?」
「貴様、ソノ力は……!」

今まで幽羅が唱えた事の無い詠唱……いや、これは……エアリナ?
室内だと言うのに、まるで嵐の前の風……
雪乃と羽衣も、驚きの表情を見せている。

「……我が道を害する物を斬り刻め!」
「これは……まさか!?雪乃!羽衣!伏せろっ!!」

この魔法は、間違いなくエアリナの物、それも大規模な物だ……!!
身を伏せ、影響から外れるように結界を張った。

「ナ……動ケナイダト!?」
「……貴方は、生かしておけない。ここで消えなさい。」

姿は幽羅……しかし、その言動、そして気配……エアリナの物……
もう、時間が無いと言うのか……?

「キ……貴様ァァァッ!!」
「……散れ。」
「グアァァァァァッ!!」

断末魔……切り刻まれていく体。
血や肉さえも吹き飛ばし、収まった時には、それの跡形も無く消し去っていった。
と、同時に幽羅の体ががくりと傾いた。

「幽羅っ!」

倒れそうになった所を何とか支える。
意識は無い……が、息はある。

「……戻ろう。ここに長く居ても意味は無い。」
「あの……幽羅さんは大丈夫なんですか?」
「ああ、大丈夫だ……」

エアリナは……焦っている。本当に、時間が無いのだろう……
だが……後遺症を残してしまったら無意味だ……どうするのだ、エアリナ……?
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