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それぞれの想いは交差し、物語を紡ぐ。
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「予想以上に複雑な構造のようだな……」
「気配だけでは、中々近づけませんね……」

殆どの敵は倒したとは思う。
だが、我や雪乃が気配を探っても、親玉と思われる気配を掴む事が出来ない。
元々ここにいないのか、あるいは完全に気配を消しているのか……
甲板や、船の状態が気になってしまう。

「……見えた……」
「む?どうした羽衣。」
「あ、いや、多分ですけど……敵の親玉の場所がわかったんです。」

突然の事、それも羽衣が。少々驚いたが、今はその言葉を信じる事にした。

「本当か?大まかな場所がわかるだけでも十分だ、案内してくれ。」
「はい。」

羽衣が先頭に立ち、船内を走る。
奥に進むにつれ、何か別の気配が大きくなっていた。

「羽衣、どうやら当たりの様だ……よくわかったな。」
「なんとなく、何ですけどね……」
「それでもだ。さて、気は抜くなよ。」
「はいっ!」

少し目立つ扉。我はそれを蹴破った。
そこは他の部屋とは広さも空気も異なっていた。
そして、その奥にいた男……

「ふん、予想以上に早かったな。」
「貴様か、この船の船長は。」
「ああそうだ。せっかくのいい月の日に、こんな邪魔をされるのは不愉快だ。」
「我の知った事か。貴様には二度と月を拝ませはせん!」

やはり奴が船長だった。
いかにもそれらしい風貌、だがそれでいて人とは明らかに違う空気。
いや、この独特の空気は……不死者か?だとすると、少々厄介だ。

「はははっ!桜木の大精霊でも、この俺を倒すなんぞできまい!」
「ああ、そうだな。少なくとも、我一人では梃子摺る相手だろう。だが……」

我は後ろを見る。我一人では敵わずとも、我には仲間がいる。
そして、不死者を完全に消滅させる手立ても存在する。

「我ら四人の力で、貴様を葬り去る!」
「ほほう、ならば来い!みなまとめて餌にしてくれる!!」

ここが正念場、負けるわけには行かない。
我らの力、ここで見せる!!
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