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それぞれの想いは交差し、物語を紡ぐ。
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エリアス近郊の草原、一般人も通る道に多くの危険が迫っていた。
魔物や凶暴化した動物達が人を襲うようになっていたのだ。
……依頼自体は単純だが、少し時間が掛かりすぎている。
数日前から数を減らす努力をしていたのだが、一向に数は減らない。
どうも根源があるようだったが、まだ分からないままだった。
しかし前日の調査でその凶暴化の原因になっているのではないかと言う何かが見つけられた。
状況が状況だけに、それが何かまでは把握出来なかったようだが……

「さて……この近くのはずだが。」

気配からして普通ではない。精神に直接影響するような、そんな気配。
この気配に当てられて、動物達が凶暴化したのだろうか……?

「……やれやれ、また面倒な事になりそうだな……」

既に分かっていたのだが、囲まれているようだ。
まぁ、我の相手ではないのだが……この際仕方あるまい。

「さぁ来い!一匹残らずこの手で葬ってくれる!!」

我の声と同時に、動物達の咆哮が響く。
一斉に襲い掛かってくるそれを、何事もなかったかのように切り裂いていく……



「……全く、手間が掛かる……」

血で染まっている手。無残に転がる死体。
……一瞬、我が我で無くなる様な感覚。
確かなのは、我自身が戦いを楽しんでいる事。

「さて……まだ決着が付いたわけではないな。」

だが、今はそんな事を気にしている場合ではない。
原因となる何かの気配は、確実に近づいている。
何かの生物のようだが……ただの生物ではないか。

「……お前が根源だな?」

その姿は異形。悪魔のような姿。例えようもない、奇妙な存在。

「グゥゥ……マサカ貴様ノヨウナ存在が居タトハナ……」
「ふん、甘かったな。わざわざ我の前に現れたのなら、それ相応の覚悟はあるのだろうな?」
「……フン、笑ワセテクレル……貴様モ、コイツラト同ジ運命ニシテクレル!!」
「……来い。貴様に我が倒せるのなら!!」

交差する互いの拳。限界直前で攻撃を避け、血で染まった赤い爪をそれの胸に突き刺す。

「ウグッ!?」
「……ここで果てろ。」

そのまま体を引き裂いていく。
噴出す血、生々しい光景がそこにはあった。



「ようやく、か……」

これが今回の事の原因だろう。気配が急激に弱まった。
だが、何故このような存在がここに?何か、この先になければいいのだが……

「……戻るか……」

……今は、深く考えないでおこう。
術で血を浄化し、その場を去った。もうここに居る必要はない。
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