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それぞれの想いは交差し、物語を紡ぐ。
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大火災は雪乃の能力ですぐに鎮火した。
幸いにも、村の被害は最小限に食い止める事が出来た。

「咲耶様、これは一体……!?」
「わわ……傷が治ってる……」
「……どうやら、決着はついたようだな。」

貫いた胸の傷は、恐ろしい速さで治っていく。
正直、我自身この術を使うのは抵抗があった。
対象の魔力に対する抵抗や、精神状態……様々な要因が絡んでくる。
今回は、本当に運がよかったと言うべきか……

「う……うぅ……?」
「羽衣!目が覚めたか!」
「あ……咲耶様……」

羽衣の目が開いた時、その目は紫色に変化していた。
……互いの意思が混ざり合ったか……?
だが、髪の色は依然として白いままだった。
そして特徴的だった猫の耳は、普通の人間の耳になっていた。

「よかった……上手く行った様だな。」
「はい……あの子も、わかってくれました。」
「そうか……」

本当に、これで大丈夫なのだろうか……自信がない。

「体は大丈夫か?何か影響が無ければいいのだが……」
「えと……今の所は。」
「そうか……まぁ、今はゆっくり休むといい。」
「はい……」

とにかく、今は無事に戻ってきた事に感謝しよう。
今はゆっくり休ませるべきだ……

「ああよかった……どうなるかと思いましたよ。」
「羽衣ちゃんがあんな事になるなんて思ってなかったよ~……」
「ごめんなさい……こんな事になってしまって……」
「ううん、羽衣ちゃんは悪くないよ。」
「そうだ。この事件の根本にあるのは、村人の虐待にある。」

そう、根本的な問題……何故、羽衣が虐待を受けていたのか?
羽衣の過去に、一体何があったのか?

「……羽衣、休んでからで構わない。過去に何があったか、教えてくれるか?」
「はい……わかりました。」
「すまないな……」

話を聞くのはまた後にしておこう。
そして……その間に、我には会わなくてはいけない相手がいる。

「少々席を外す。雪乃と幽羅は、羽衣を見ていてくれないか?」
「どちらへ向かうんですか?」
「……羽衣の事を知る存在を忘れていないか?」
「……あ。」

……やはり、奴も動いていたか。
これが原因で他所に影響が出る可能性もあったのを、事前に察知していたようだな……

「どうやら、外部への影響を薄めるために結界を張っていたようだ。その礼も言わなくては。」
「わかりました。お気をつけて……」
「いってらっしゃ~い!」

気配で大まかな位置はわかる。少し、話をしなくては。
恐らく、あやつが最も羽衣の事を知りうる存在……
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