忍者ブログ
それぞれの想いは交差し、物語を紡ぐ。
<< 2024 / 11 / 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
[22] [23] [24] [25] [26] [27] [28] [29] [30] [31] [32]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

そこは真っ暗。僕の身体は存在しない。
僕の心の中。闇に支配された僕の心。
かろうじて意識があるのは、咲耶様が最後に支配された僕の身体を貫いてくれたから。
肉体が死んで、魂だけが生きている……時間は、ない。



「どうして……?」

……寂しかったんだね。貴方は、ずっと一人ぼっちで。

「な、何を言ってるのよ……」

ごめんね、僕が気づいてあげられなくて……もっと僕が早く気づいてあげれば、こんな事には……

「う、うるさいっ!あたしは貴方が望んだから生まれた!貴方が望んだから……貴方も同罪よ!!」

……そうだね。僕は貴方の暴走を止める事が出来なかった。こうなってしまったのは僕のせいだよ。

「な、何を……」

目的は、僕の怨みを晴らす事。でも、度が過ぎてしまった……貴方は許される存在ではない。
そして、それを生み出してしまった僕にも……責任はある。だから……

「う、嘘でしょ……!?だ、ダメっ!貴方が死んだら、あたしは……!」

……そう言うと思った。貴方も結局、僕から生まれた存在で、僕に依存している。

「………」

もう、僕は望んでいない。僕は、そんな事をする貴方を望んでいない。

「嘘……そんなの、嘘!貴方は、まだあいつらを……!!」

そう思っているのは貴方だけだよ!ずっと一人で、勝手に……!!
確かにあの時の僕はそう望んだのかもしれない……だけど、今は違うっ!!

「うるさいうるさいうるさいっ!!貴方なんか……貴方なんか……っ!」

もう、強がる必要はないんだよ?貴方はもう、存在する必要はない……
一人ぼっちで、寂しかったでしょう?大丈夫……今は、僕がいるから。

「何を言っているの?あたしは、とんでもない事をしてしまった。もう、止める事は出来ないの……」

ううん、出来るよ。貴方が背負った罪を、僕が一緒に償う。
貴方一人では難しくても、二人で一緒に……

「そんな事出来るわけないじゃない……あたしは……怨念よ?」

出来るよ。だって……



『貴方は僕で、僕は貴方なんだから。』



「行こう、一緒に。貴方は、一人じゃないから……」
「……後悔しても、知らないよ……?」
「しないよ。貴方だって僕なんだから……ね?」
「……うん……」

お互いに笑顔だった。一歩間違えれば、両方とも消滅するって言うのに……
でも、これでようやく……
PR
Add a comment:
name
title
e-mail
URL
color
comment
pass
Comment:
Trackback:
Trackback URL:

忍者ブログ [PR]