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それぞれの想いは交差し、物語を紡ぐ。
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「どうぞ……」
「すまない。」

中は少し暗い。
家の中は至って質素で、和風な物だった。
中央の暖炉を中心に座り、話を聞く事になった。

「さて、何処から話せばよいでしょうか……」
「そうだな……まずは、このような事態になった経緯を教えて欲しい。」

と、聞いた時にちらりと羽衣の方を見た。
やはり気配は変わらない。その表情は暗いままだ。

「……あれはもう何年前の事でしたか……ある一組の夫婦が亡くなってからです……
 その夫婦はとても仲が良く、子供も元気な子でした。ところが、その夫婦が亡くなると、
 その夫婦の子供は迫害を受けた……それからです。」
「子供が迫害を受けて、その後に最初の犠牲者が出たのだな?」
「はい……それからと言うもの、迫害は続き、それと同時に被害者も増えていったのです。」

……奇妙だ。それに気づいていながら、何故止めなかったのだ?

「迫害は何故止まらなかった?誰も止めようとはしなかったのか?」
「止めようとはしましたが……誰もがその子供が祟りの原因だと……」
「何と愚かな……」

その子供に同情してやりたいが、何か引っかかる。
この話、何処かで……?

「すまないが、その子供の名前を覚えているか?」
「確か……神楽火、羽衣、でしたか……」
「え……僕の、名前……?」
「……おお、ま、まさか貴方は……!」

その老人は羽衣をしっかりと見て、何か思い出しているようだった。

「似ている……まさか……いやしかし……」
「僕は……僕は、ここで何を……うっ!?」

突然、羽衣が苦しみだす。ここで、危険な事になったのか……!?

「羽衣!?どうしたっ!?」
「あ……ああ……痛い、痛いよ……助けて……!」
「くっ、こんな所で……っ!」

混乱する現場。そこに追い打ちをかけるかのように、慌ただしく家の扉が開かれた。

「た、大変だっ!また一人やられたっ!!」
「なんだと!?」

また犠牲者が……まさか……やはり羽衣が原因なのか……?

「……くっ、仕方ない、我は羽衣を看る。雪乃と幽羅はこの方と様子を見に行ってくれ!」
「わかりました!」
「うんっ!」

三人が家から飛び出し、家には我と羽衣だけが残った。

「はぁっ、はぁっ……嫌っ……こないでぇ……」
「しっかりしろ、羽衣!羽衣っ!!」

羽衣……御主には何が見えているというのだ……?
一体過去に、何があったのだ……?
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