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それぞれの想いは交差し、物語を紡ぐ。
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「ここは……妙に静かだな。」

降りた場所は森の中、その道の上だった。
人の気配も他の動物の気配もしない静かな森。

「静かな場所ですね……」
「うん……何か、ちょっと怖いな……」

……余りにも静か過ぎる。雪乃と幽羅は少し警戒していた。

「ここって……いや、でも……」

羽衣は何かを思い出しているようだった。
なにやらあたりを見回している。

「羽衣、何か知っているのか?」
「いえ……ただ何となくなんですけど、ここには来た事があるかもって……」
「ふむ……そうか。」

もしかしたら羽衣に纏わる何かがあるのかもしれない……
と、そう思った時不意に森の中から気配を感じた。

「……神族か。」
「流石は咲耶様ですにゃ。」

現れたのは一匹の白い猫。澄んだ青い目をしている。
……気配が強い。ただの神族ではなさそうだ。

「御主、ただの神族ではないな?」
「僕は猫神、神界の上級神だにゃ。」
「ふむ……神界の上級神が直々に……」
「あ~っ!?」

と、突然声を上げたのは羽衣だった。
……話の途中だったのだが。

「ね、猫神様……!?」
「久しぶり、羽衣。元気にしていたかにゃ?」
「はい、それはもう……でも、どうしてここに?」

確か、使者を送る筈だったが……
自ら動くまで状況が悪化しているのか、他の理由なのか……

「……少々僕の手には負えない事態になってにゃ……」
「力を持った神がわざわざ我に依頼を出した、と言う事か。」
「そう言う事ですにゃ。」

上級神ですら手を挙げる状況……一体何が起こっているのだ?

「使者を送るのではなかったのか?」
「状況が状況だけに、ですにゃ。」
「……それ程危険な状況、と言う事か。」

手に力が入る。これ以上放置するわけには行かない。

「原因が何であれ、何としても我々の手で止めなくては……!」
「どうかお願いしますにゃ。もう咲耶様が頼りですにゃ……」
「ああ、任せておけ。他の者も覚悟はいいな?」

無言で頷く三人。もしかしたら今も誰かが危機にあるのかもしれない……
焦りが頭をよぎる。

「早速案内してくれ。嫌な予感がする……」
「わかりましたにゃ。」

とにかく、まずはその村の状況を知らなければ動けない。
猫神の後を追い、一路村へと向かう。
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