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それぞれの想いは交差し、物語を紡ぐ。
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「………」

一人見つめる先。この冠を置く台座。何もない台座は何処か寂しげで。

「全ては、ここから始まったのだな……」

我も元々はただの精霊だった。そして能力を見出され、桜木の大精霊を引き継ぐ事になった。
ここは我の始まりの地。桜木の大精霊としての、使命を授かった場所……

『ふふっ、流石は我らしいと言った所か。』
「いいさ、それでも構わない……」

目の前に見える幻影。いるはずのない存在。

『戦いを前に思い出に浸りに来たのか?』
「似たような物だ。」

そういう我は少し笑っていた。

『あまり浸りすぎると抜けられなくなってしまうぞ。』
「わかっているさ。そう長居するつもりはない。」

封印したい記憶もある。だが、そうではない記憶もある。

『もう昔の我には戻らない、そうだろう?』
「ああ……今は今だ。我は今を生きている。」

自問自答。思い出される過去の記憶。

『ならば迷わず進むがよい。我が望んだように。』
「言われなくてもわかっているさ。」

そして幻影は消えた。

「……全く、世話の焼ける……」

あまり時間をかけるわけにも行かない。
思い出に浸りすぎるのも問題だ。そろそろ戻る時間だろう。

「さて、与えられた使命を果たしに行くか。」

今の使命。と言うよりは依頼だが……
第二大陸に起こっている異変。多くの人間の命が消えている。
……嫌な予感がするが、それを一番早く止める事が出来るのは我々だけだろう。
皆が待っている。



「すまないな。さて、出発するぞ。もたもたしているとまた犠牲者が増えるかもしれん。」
「わかりました。それじゃあ門を開くので、ちょっと下がっててくださいね!」

結衣香が術式を組み上げていく。その速さは我ですら追いつかないほどだ。
いや、最後に見た時より更に早くなっている……やはり、成長しているな。

「……開きます!皆さん、お気をつけて!」
「ああ。では行くぞ!!」

開かれた門に全員が飛び込む。
目指すは第二大陸、過去に我が初めて見た別世界へ。
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