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それぞれの想いは交差し、物語を紡ぐ。
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「こんな時に呼び出しとは、どういう事だ神王殿。」
「いや、ごめんねぇ……私としても今回の事は何とか神界側だけで済ませたかったんだけど……」
「……何故我を?我にはまだ桜木の大精霊としての仕事があるのだぞ。」

我は少し気分が悪かった。
神界と魔界の緊張状態。それが酷い状態での呼び出し。
……どういうつもりなのだ?

「君が武術の能力に長けているのを聞いて呼び出したんだ。」
「……精神体が戦えるとでも思っているのか?この戦争に我を巻き込むつもりか?」

まさか……呼び出されて戦争に参加しろとはな……
ふざけているのか、こいつは……

「本当は巻き込みたくなかったよ。だけど、少しでも戦力が欲しいんだ。」
「断る。精霊界を巻き込むのか?ふん、ふざけるな!!」
「咲耶……」

馬鹿馬鹿しい戦いなど、我には無意味だ。
この時はまだそう思っていた。だが……



「またか……」

昔の夢。何故思い出してしまうんだろうか。
思い出したくもない記憶。狂った戦いの日々。
……もういい、今は考えるな……

「咲耶様?入りますよ。」
「ああ……」

来たのは雪乃だった。今日は少し起きるのが遅かったようだ。
あんな夢を見るから……全く、我らしくない。

「大丈夫ですか?」
「ああ、大丈夫だ。羽衣の様子は?」
「昨日の疲れはとれたみたいですよ。もうリビングにいますから、咲耶様も。」
「わかった。」

少し気分が悪いが問題はない。
身体を動かして気分転換とでもしたいところだ。



「ああ、そう言えば咲耶様……」
「む、なんだ?」
「咲耶様宛てにお手紙が届いていますよ。恐らく依頼かと……」
「ふむ……そろそろ忙しくなるな。」

食事中、雪乃から手紙を受け取った。
久し振りの依頼。まぁ、元々休みを取っていたし、そろそろ来てもおかしくはなかったが。

「依頼、ですか?」
「ああ。大体の依頼はこうして手紙で送られてくるのだ。」
「中には国の王様から来るのもあるんだよ~!」
「凄いですね……それほど信頼されているという事なんですね。」
「そういう事だ。中身は後で確認しよう。」

ここ最近は落ち着いている。だが、何時大きく動くかわからない。
エアリナの言った事が正しければ、その時は近い事にはなるが……

「だが……覚悟はした方がいいかもしれないな。」
「はい……」
「そうだね……」
「……咲耶様?」

不安げに尋ねる羽衣。その声は少し震えていた。

「何だ?」
「咲耶様は……戦いが怖くないんですか?」
「……普通の存在でならばそう思うだろう。だが我はそれを超越してしまった。」

本当は超えてはならない一線だったんだろう……だが、今更だ。

「じゃあ、命を奪う事も、怖くないんですか?」
「……少なくとも無益な殺しはしない。今まで殺めた者は全て害成す魔物。」

……一部例外は含む。何しろ、過去には人を殺した事もある。
尤も、そいつは既に人間として生きていたとは思えない姿ではあったが。

「……そう、ですか……」
「羽衣、無理なようなら出なくても構わない。」
「いえ、昨日のお話を聞きましたし……僕だけ見ているなんて出来ません。」
「そうか……だが無理はするなよ?」
「はい……」

不安ではあるが……仕方ない。
内容があまりにも危険だったら、羽衣に出させるのは止めさせよう……
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