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それぞれの想いは交差し、物語を紡ぐ。
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罪は消えない。でもこれ以上、罪を積み重ねさせるわけにはいかない。
全ての悪意はここで収束する。全ての悪意はここで終わる。
やってみせるよ。これは僕にしか出来ないのだから。

「全部、終わらせるよ。」

目を開く。そこは焼け野原だった。周囲に悪意が陣取っている。
もうあの子の返事は聞こえない。四方八方から悪意が迫るのが分かる。
直前まで迫る。その瞬間を見て、槍で振り払う。炎が舞う。悪意が消える。
また迫ってくる。それを振り払う。それを繰り返す。
振り払うたびに、焼け野原だった光景が、白く塗りつぶされていく。
重く感じた悪意も、少しずつ、少しずつ、消えていく。世界が白くなっていく。

どうして?

声が聞こえた。何故、僕はここで槍を振るうのか。

「貴女に、安らかな眠りを与えるため。」

振るいながら答える。もう苦しませない。全てを断ち切る。そのために、僕はここにいる。
あぁ、身体が焼けるように熱い。それでも振るうのを止めない。
もう世界の殆どが白くなっていた。悪意もあまり感じない。
一度、大きく振り払った時、あの子の姿が見えた。泣いている。
これが最後。大きな炎を纏わせ、全力で振り抜く。悪意は消えた。世界は白く塗りつぶされた。
目の前に、僕がいた。涙を流している、僕がいた。
黒の長髪、澄んだ赤い瞳、華奢な体。それは間違いなく、僕だった。

「もう大丈夫だよ。だから、泣かないで。」

槍は燃え尽きた。満身創痍の身体で、優しく抱きしめる。
これで、全ては一つに収束した。

「ありがとう……」

こうして僕は、この世界から消えた。
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