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それぞれの想いは交差し、物語を紡ぐ。
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一人、小屋で今後の事を考える。
正直な所、未だに驚きっぱなしだ。まさか、ああ言う風に形になっているとは。
恐らく、今は羽衣さんと猫君が彼女と対峙している所だろう。
神の権限を全力で使ってもいいが、あのレベルだと正直、無事に済むかどうかも怪しい。
……答えを導き出すのは、やはり本人に任せるべきかな。
無論、その答えを導くに至る途中での手助けは全力でするが……
それはその時になったら考えよう。
あまり無闇矢鱈に最高権限クラスの力を行使するのは後が面倒だ。

「……それにしても、咲耶がこれを頼むとは、ね。」

昔の咲耶を知っている身としては、咲耶から頼まれるという事自体が驚きだった。
いやまぁ、今であればあるにはあるが……
咲耶も随分軟化したものだ。昔は正直な所、相手にしたくない相手でもあった。
やたら堅苦しい上、異質な空気を何事も無いかのように叩きつけて来た。
それが今になってみれば、仲間と共に行動している……昔じゃ考えられない。
……まぁ、そうなるように道を作った、とも言えるが。

「失敗は許されなさそうだ……さて。」

頼まれたからには、完遂しなくてはならない。
それがどんな事であれ、あの咲耶がこの私に頼んだのであれば。
……借りは返す。そう決めた。



この状況をどうやってひっくり返すのか。
正直な所、僕にはどうしていいのか分からない。
全ての怨念を片っ端から浄化しようにも、規模の予測が出来ない。
最悪、逆に飲み込まれてしまう事だって有り得る。
……今、僕の目の前にいるそれも、何をしてくるか分からない。
神王殿の支援があれば問題は無い……けども、そう簡単に事が進むだろうか?

「……僕はもう、逃げない。」
「羽衣……?」

沈黙を破ったのは羽衣だった。
迷いの無い、まっすぐな言葉。

「もうこれ以上、過ちは繰り返さない。ここで……全て終わらせる。」
『……無駄よ。貴方が望まなくても、みんなは殺し続ける。貴方だけで何が出来るの?』

それの背後が歪む。禍々しい空気が流れこんでくる。
それでも羽衣は、その目は、それを捉え続けていた。

「僕は一人じゃない。僕には、仲間がいる。」

羽衣の右手が燃え上がる。その炎の中から、何かが具現化しようとしている。
この魔力……まさか……羽衣が?

「もう迷わない……!」

何かが具現化されていく。これは……槍?
炎に包まれた、一本の槍。それに、この波動は……
じゃあ、あの空白を埋めるのは……羽衣だったのか?
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