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それぞれの想いは交差し、物語を紡ぐ。
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「はぁっ!たぁっ!」

庭で羽衣が槍の感触を確かめている。
あの一件以降、羽衣は戦いの場においては炎に包まれた槍を扱っている。
が、流石にそれは狭い場所や……地面が草に覆われたこの庭では扱いにくい。
そのため、今の羽衣は我と特訓した時に使った、あの飾り気の無い槍を使っている。

「てやぁっ!!」
「……ふむ。」

羽衣の動きは、出合った頃とは比べ物にならない程早くなっている。
槍の扱いに慣れた上、その応用も出来ている。

「ふぅ……どうでした?咲耶様。」
「とてもいい動きをしているよ。その内、我を超えるかもしれないな。」
「そんな、僕なんてまだまだですよ。」

少し顔を赤らめる羽衣。なんだか可愛らしいな……
が、その直後……背筋に寒気が走った。何かが館の周囲に入りこんだか……!?

「っつ!?」
「ど、どうしたんですか!?」
「いや……少し、妙な気配がしてな……」

この気配……何かに似ているが……混濁していて明確には分からない。
そして、少ししてその気配は消えた。一体、何が入ってきた……?

「大丈夫ですか……?」
「ああ……」

入り込んだが、すぐに抜けたか?しかし、一体何がこの館に……

「すまないが我は部屋に戻るよ。羽衣はどうする?」
「僕はもう少し練習してますね。」
「分かった。あまり張り切り過ぎるなよ?」
「はいっ!」

再び訓練を続ける羽衣を少し眺めた後、部屋に戻った。
度々妙な気配を感じる事はあったが……今までとは違う。
あれほどまでに明確な気配がしたのは初めてだ。

「あの気配は確か……」

あの一瞬の気配をもう一度思い出す。何か、今まで感じた気配の中との接点があるかもしれない。
邪気を含んだ気配……何処かで感じた事のある……だが、決定的な特徴までは掴めない。

「何だったんだ、あれは……」

もう少し、記憶を辿る必要がありそうだ。目を閉じて、今までの事を思い出す。
少しだけでもいい、何か手掛かりが見つかれば……



「……あ……あれ?」

何だか、体の様子が変……何だろう……さっきまで、何とも無かったのに……
ちょっと休まないと……もしかして、知らない内に力を使ってたのかな……

「あ、羽衣ちゃん……どうしたの?なんか、顔色悪いよ?」
「ちょっと、疲れちゃって……でも、少し休めば大丈夫ですよ。」
「ん~……そっか。なら、ゆっくり休んでね。」

肩をぽんぽんと、優しく叩いてくれた。
幽羅さんも心配してるし、もう休もう。何かあったら大変だし……
僕の部屋に戻るなり、すぐにベッドに倒れた。

「ちょっと休めば……大丈夫……」

すぐに眠気が襲ってくる。やっぱり、疲れてたのかな……?
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