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それぞれの想いは交差し、物語を紡ぐ。
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「咲耶ちゃん!」
「幽羅?それにアルフォードも……随分と早いな。」

勢いよく開いた扉から幽羅が、続けて神王も入ってきた。
随分と早く帰ってきたな……無理矢理話を短くしたか?

「魔王様が気を使ってくれたんだ……早く向かってやれって。」
「魔王殿が?珍しい事もある物だ……」

あの魔王殿が、気を使って……?我に対する配慮なのか?
……気にしていると聞かれたら、否定するのだがな……向こうはそうでも無かったらしい。

「まぁ、事情はどうであれ、これで二人とも揃った訳だし、早速構築をしようか。」
「そうだな、頼む。」
「お願いします!」

だが、それよりも今は二人を待たせている。早く戻らなければ。

「基本構成は以前のままで、幽羅ちゃんは大精霊の力にも耐えられるようにしておくよ。
 格好は前のままにする?」
「えっと……前のでいいですか?」
「勿論だよ。咲耶もそれでいいね?」
「ああ。」

今のこの着物も、当分はお預けといった所か。名残惜しいが……少々、向こうでは目立つ。

「それじゃ、二人とも意識を集中させて……合図をしたら始めるよ。」

目を閉じ、意識を神王に集中させる。これで二度目だが……中々の衝撃だったのを覚えている。
魔力が体に流れ込んでいるのが分かる……

「いくよ……構築、開始。」
「ぐっ……」
「はうっ……」

神王の言葉と同時に肉体が作られていく。一瞬、激しく締め付けられたような感覚が襲う。
その後は足元から痺れが上っていく。痺れが取れた後は、その部分が熱を持っていた。
暫く耐え……頭から熱が取れたころに肉体の構築が終わった。若干、節々に痺れが残っている。
そして何時もの格好に戻った。やはり、この姿でなくては。
幽羅も以前の精霊の服に戻っていた。

「……今更だけど、二人とも凄いよ。これが終わって平然としてられるのは二人だけだからね。」
「正直、何度もやりたくなるような物ではないな……」
「うー……久しぶりに味わったよー……」

とりあえず、無事に終わったようだ。軽く体を動かして、感覚を確かめた。

「うむ……大丈夫だ。幽羅もいいか?」
「うん、平気だよ。」
「さて、それじゃあ次は転送だね。あ、そうそう幽羅ちゃん。」

アルフォードが幽羅の肩に手を乗せ、笑顔を見せた。

「今度から私と話す時は、気楽にしていいからね?硬くならなくても大丈夫だから。」
「えっ?えっと……分かり、ました……」
「そう気張らずに、いつも咲耶と話してる感じでいいからね。」
「う、うん……これで、いいかな?」

ぎこちない感じだったが、それを聞いてアルフォードは安心したのか、術の構築に入った。

「二人とも……気をつけて。」

アルフォードの言葉の後、目の前が白く染まっていき、一瞬意識が薄れる。
ようやく帰れるのだな、我が家に……
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