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それぞれの想いは交差し、物語を紡ぐ。
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森の中はその気配とは違い静かだった。
普段殆ど人が入らない為か、道らしい道はない。

「……気分が悪くなってくるな……」
「大丈夫ですか?咲耶様。」

気配が混沌としている。集中していないと、すぐに意識が散ってしまう。

「ああ、何とかな。御主は大丈夫か?羽衣。」
「大丈夫……ですけど、落ち着かないです……」
「そうか……」

雪乃と幽羅の表情も硬い。
奥に行くにつれ、気配も更に強まる。と、その時だった。

「な、何なんだよこいつら!?」
「……気をつけて……!!」

少し遠くから声が聞こえた。若い男女……まさか、別の冒険者か!?
急いでその声の方角へ向かう。



「くっ、なんて数だ!!」

少し進んだ先は恐ろしい数の魔物達が群がっていた。
その中心に、人影が見えた。

「お願い……僕に力を……てやぁっ!!」

羽衣が放った炎は瞬く間に広がり、多くの敵を焼き払っていく。
しかし、数は一向に減る気配を見せない。
何か、別の場所に根源があるのだろうか……

「くっ……これではキリがないぞ!」
「みんな下がって!……お願いっ、みんな!!」

幽羅が術を発動させた。
だが、何かが違う……この魔力の流れは、普段の幽羅が扱う物ではない。
もっと強大な……まさか!?
直後、巨大な竜巻が目の前に現れた。

「しめた、今の内に逃げよう!」

若い男の声が聞こえた。
そして目の前の竜巻は、群がる魔物を切り刻みながら吹き飛ばしていった。
その光景に、驚きの表情を見せていたのは発動させた幽羅であった。

「え……何で……?」

魔物の数は激減した。残りを掃討し、何とかこの場は乗り切った。
あの二人は……どうやら逃げ切ったようだ。このまま森を出てくれればいいのだが……

「幽羅……大丈夫か?」
「う、うん……大丈夫……」

普段の幽羅であれば、あの様な竜巻を起こすのは無理だ。
発動させた時の、あの独特の魔力。あれは、間違いなく……

「とにかく、ここはもう大丈夫だ。先へ進もう……」

幽羅の肩を叩き、更に森の奥へ進んでいく。
恐らくは、もうすぐだと思うのだが。
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