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それぞれの想いは交差し、物語を紡ぐ。
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「はぁ……はぁ……」

血に染まった手を見る。
我を囲んでいる物は、我の手によって引き裂かれた魔物。
血の臭いで気分が悪い。
あれは本当に我だったのだろうか?
いや、違う。これは……今の我ではない。
これはまるで……あの時の……

「……まだ……断ち切れていないのか……?」

ふと空を見上げる。夜空に輝く月、星……美しい夜空。
心が落ち着いていく……

「……戻らなくては。」

術で血を浄化する。これを行わないと、この地に影響が残ったままになってしまう。
一通り終え、我はその場を立ち去った。



「……ふぅ……」
「咲耶様、大丈夫ですか?顔色が悪いですよ……?」

心配そうな表情で雪乃が尋ねた。
……表情に出ていたか。

「雪乃……大丈夫だ。少し力を使いすぎただけだ。」
「そうですか……無理はしないでくださいね。」
「ああ……」

一人で戦う時、我は我を忘れる。
よく誰かに、お前は本当にただの精霊なのか?と言われる事も多かった。
……我自身、時々自分の存在が疑問に思う事もある。
だが……今は、違うと信じている。
我には仲間がいる。もう一人ではないのだ……



こうして、海の脅威を撃退した我らは館に戻った。
流石に疲れたのか、幽羅と羽衣はすぐに眠ってしまったようだ。
まぁ、あの術は消耗も激しい……羽衣もきっとそうだろう……だが、助かった。

「咲耶様……」
「雪乃?どうした?」
「いえ……あの時の咲耶様、普段とはとても違いましたから……」
「そうだったか?……いや、そうかもしれないな。」

雪乃は我の事をよく知っている。
こちらに来てからだと、幽羅よりも長い間共に過ごしている……
だから我の変化を見逃さなかったのだろう。

「……時々、昔の事を思い出すのだ。あまりいい思い出はないのだがな。」
「そうなんですか……」
「まだ雪乃にも会う前の事だ……想像もできぬだろうな、今までの我だけしか見ていないのなら……」

……雪乃と出会った事により我の心は落ち着いた……
それほど、あの頃の我は今とは異なる。

「……さぁ、今日はもう寝よう。今は休むべきだ……」
「……はい。」

あまり話す気にはなれなかった。
どうも今日は妙な気分だ。我らしくない……
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