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それぞれの想いは交差し、物語を紡ぐ。
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夜のエルパ湾……
乗り込む船は、一般的な船とは違い戦闘に耐えうる船だった。
あらゆる部分に戦いのための施しがしてある。
そして、乗り込む船員も屈強な者ばかりであった。

「こちらは何時でも出られますよ!どうします?」
「船を出してくれ。早急に決着をつけよう。」
「了解っ!出航するぞー!!」

威勢のいい船長の掛け声と共に船が動き出す。
空は漆黒。そしてその中に白い星と金色の月が輝いていた。
目指すは幽霊船だ。



「……嫌な風だな。」

湿った海風の中に、嫌な気配が混ざっている。
……確実に、幽霊船は現れるだろう。
まだその姿は見えない。だが時間が経つに連れ気配は強まる。
やがて空が暗くなっていく。月も隠れてしまった。

「お~い!おいでなすったぞ~!」

船員の一人が叫ぶ。前を見れば、暗い中に青白い物が見えた。
近づくに連れ、それは形を見せていく。
……間違いなく、船。我々が乗り込む場所だ。

「あれか……」
「咲耶ちゃん!こっちは大丈夫だよ!」

船室から出てきた幽羅。後から雪乃と羽衣が続いた。
全員、何時でも戦える状態だった。

「よし……船を横に!一気にケリを付けるぞ!!」

船員達の声と共に、完全にその姿を見せた幽霊船の横に船をつけ、橋を渡した。

「この船は俺達が守ります!そちらは少数で船長を叩いてください!」
「わかった!よし、行くぞっ!!」

我々は四人だけで船に乗り込んだ。
既に甲板には多くの魔物が現れていた。

「雑魚に用は無いっ!」
「そ、それにしても数が多いですっ!?」

羽衣が苦戦しているようで、我はその援護に入る事にした。
まだ広い甲板とはいえ、武器と魔法を同時に駆使するのは難しい。
ましてや明かりが殆ど無いため、距離を掴みにくい。

「ああもうっ、これでどうだっ!」
「咲耶様、ここは一気に抜けていった方が!」

幽羅は風魔法との連携で、一気に敵を吹き飛ばしていく。
雪乃はそれを後ろから援護していた。
戦力は十分だが、ここで時間をとっても意味はない。

「わかった!突入するぞ!」

邪魔な敵を一掃し、一気に船の内部へと飛び込んでいく。
予想通り、船の中は狭かった。

「雪乃、羽衣!武器の扱いには気をつけろ!」
「わかりました!」
「はいっ!」

やはり敵は多い。だが、我らの敵ではない!

「さぁ、来るが良い!!」

向かう敵は全て倒し、先へと進む。
予想以上に広い部分もあったが……油断は出来ない。
時間を掛ける事も出来ない、急がねば!
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