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それぞれの想いは交差し、物語を紡ぐ。
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「……まさか、ここまで攻められるとはな。」
「神界の警備って、そんなに強くないんだよねぇ……」
「暢気な事を言っている場合か!早く逃げるぞ!!」

一体何を考えている!?こんな時期に襲撃とは……!!
もはや、我々に出来る事は逃げる事だけだった。
護衛はいない。逃げる我と神王。肉体を持ったが故に、感覚が違う。

「全く……何を考えているのか。」
「いやぁ、流石の私も予想外だったよ。」
「……御主と言う奴は……っ!」

こんな状況にも関わらず余裕があるな、こやつは……
とにかく、今は少しでも遠くへ逃げなくては……!!



「はぁ……」

時々このような夢を見るのは、何かの暗示なのだろうかと思ってしまう。
だが、気にしている暇も無いのが現状だ。
今は、やるべき事を果たさなくてはならない……



あれから数日、いよいよその日が来た。
館を出たのは夕方過ぎ。船を出すのは夜だ。

「海上の戦いとなると、厳しい部分もいくつか有りますね……」
「うむ。特に狭い通路等では動きが制限されるだろう。」

転移装置の近くにある喫茶店で、我々は最後の調整を行っていた。
雪乃は狭い場所での弓の立ち回りが気になっているようだった。

「雪乃は確か、護身用のナイフを持っていたな?」
「ええ、一応は……」
「ならば、可能な限りそれで対処した方がいいかもしれん。」
「わかりました。何とかやってみます。」

雪乃もそうだが、もう一つ気がかりな事がある。

「羽衣も、槍を扱うのは広い場所だけにしておいた方がいいだろう。」
「それじゃあ、魔法中心って感じですか?」
「ああ、そうだな。」

あの一件以来、羽衣の能力は伸びてきている。
槍の技術もそうだが、同時に炎魔法も成長している。

「我と幽羅は可能な限り前に出て戦おう。いいな、幽羅。」
「うん、わかった!」
「よし……そろそろ時間だな。向かうとしよう。」

目指すはエルパ海上、謎の幽霊船……一体、誰がそれを操っているのか。
そしてそれがこの世界に迫るそれに関わっているのなら、確実に叩く必要がある。
最後の身支度を済ませ、転移装置でエルパへと飛んだ。
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