それぞれの想いは交差し、物語を紡ぐ。
いつまでそうしているの?あたしにからだをくれればらくになれるよ?
させない……そんな、事はっ……!!
そっか。それじゃあこれならどう?
!?……い、嫌……やめて……!!
おやすみ。もうこのからだはあたしのもの。
嫌、そんな、そんなっ……あぁぁぁぁぁっ!!
「……くっ。」
状況は良くならない。それどころか、逆に悪化している。
まさか我がこの力を利用しなければ身が持たぬ程とは、な。
怨み、憎しみ、怒り。混濁した何かが流れ込んでくる。
「咲耶様!」
「咲耶ちゃん!」
「二人とも……今は近づくなっ!!」
既にこちらの意識もわずかではあるが薄れ始めていた。
が、それと同時に羽衣の様子が変わった。
「羽衣……?目覚めたのか……?」
「う……ああ……」
「……なんだこの気配は……!?」
様子がおかしい。身体は羽衣でも、気配が全く違うのだ。
まるで幽羅とエアリナのように……
「羽衣っ、しっかりしろ!!」
「さ、咲耶様……逃げて……っ!!」
次の瞬間、羽衣の周りを炎が包んだ。とっさに避けたものの、体勢を崩された。
「あははははっ!みんな消えちゃえ!」
「こいつ……!!」
炎は瞬く間に家を燃やしていく。そして脱出した我に向かって追撃が入る。
「何っ!?」
「咲耶様、危ないっ!!」
雪乃が放つ冷気の矢で間一髪の所で炎は打ち消された。
「すまない……助かった。」
「いえ、それよりも……」
「外しちゃったか。流石は咲耶様だね。」
「貴様……何者だ!!」
炎の中から現れたそれは羽衣であって羽衣でない者。
姿は殆ど変わらない……唯一の違いは、髪と目。
あの黒い髪が、白い髪へと変わっていた。
そしてその目……まるで血の色の様な赤い目をしていた。
「見てわからないのかな?」
「姿はほぼ同じでも中までは誤魔化せないようだな……」
「ふふっ、そう思って構わないよ。」
余裕のある台詞。別の存在としか思えないその雰囲気。
そして、圧倒的なまでの邪悪な気配……
……あの時点で予測は立っていた。だが、それを遙かに上回っている……
「あたしはあの子から生まれたの。あの子が望んだ事……それがあたし。」
「ここの村人さん達が死ぬ事を、羽衣ちゃんが望んだとでも言うの!?」
幽羅の言う事はわかる。だが……もし我の仮定が正しいとしたら……
「そうだよ。あの子は虐められていたの。だからあたしが代わりに恨みを晴らしてあげたの。
まぁ、その後あの子は殺されて、あたしは自由になれるはずだったのに……」
「……そう言う事か。」
後で猫神に事情を聞く必要があるかもしれん……だが、今はそれよりも。
「だがこうなってしまった以上、貴様を許しておくわけには行かない。我がこの手で貴様を葬る!」
「あたしを殺しちゃうんだ?でもそんな事したら、貴方の大事な羽衣ちゃんが死んじゃうよ?」
「……ふん、見くびるな邪念よ。貴様だけを殺す手段はあるのだ。」
「へぇ……なら、やってみせてよ!あたしだけ殺して見せてよ!!」
瞬間、刃が煌めく。
鋭い槍の一閃を爪で弾く。だがその力はかなりの強さだった。
「雪乃!幽羅!ここは我が食い止める!二人は村人の避難を!!」
「はいっ!」
「雪乃ちゃん、急ごう!」
他の場所に影響が出ると厄介だ。何とかして、被害を最小限に食い止めなくては!
二人には急ぎ村人の避難を指示した。だが、これには別の理由もある。
「……この方が我にとっては好都合なのでな。」
「わざわざ味方を居なくするのが好都合なんだ?」
「ああ……思う存分、これを扱う事が出来るからな……!!」
それは我にとっての切り札……呪われた力。
この状況を唯一打破出来る可能性がある力。
「我が前に姿を現せ……!!」
これで……決着をつける。
させない……そんな、事はっ……!!
そっか。それじゃあこれならどう?
!?……い、嫌……やめて……!!
おやすみ。もうこのからだはあたしのもの。
嫌、そんな、そんなっ……あぁぁぁぁぁっ!!
「……くっ。」
状況は良くならない。それどころか、逆に悪化している。
まさか我がこの力を利用しなければ身が持たぬ程とは、な。
怨み、憎しみ、怒り。混濁した何かが流れ込んでくる。
「咲耶様!」
「咲耶ちゃん!」
「二人とも……今は近づくなっ!!」
既にこちらの意識もわずかではあるが薄れ始めていた。
が、それと同時に羽衣の様子が変わった。
「羽衣……?目覚めたのか……?」
「う……ああ……」
「……なんだこの気配は……!?」
様子がおかしい。身体は羽衣でも、気配が全く違うのだ。
まるで幽羅とエアリナのように……
「羽衣っ、しっかりしろ!!」
「さ、咲耶様……逃げて……っ!!」
次の瞬間、羽衣の周りを炎が包んだ。とっさに避けたものの、体勢を崩された。
「あははははっ!みんな消えちゃえ!」
「こいつ……!!」
炎は瞬く間に家を燃やしていく。そして脱出した我に向かって追撃が入る。
「何っ!?」
「咲耶様、危ないっ!!」
雪乃が放つ冷気の矢で間一髪の所で炎は打ち消された。
「すまない……助かった。」
「いえ、それよりも……」
「外しちゃったか。流石は咲耶様だね。」
「貴様……何者だ!!」
炎の中から現れたそれは羽衣であって羽衣でない者。
姿は殆ど変わらない……唯一の違いは、髪と目。
あの黒い髪が、白い髪へと変わっていた。
そしてその目……まるで血の色の様な赤い目をしていた。
「見てわからないのかな?」
「姿はほぼ同じでも中までは誤魔化せないようだな……」
「ふふっ、そう思って構わないよ。」
余裕のある台詞。別の存在としか思えないその雰囲気。
そして、圧倒的なまでの邪悪な気配……
……あの時点で予測は立っていた。だが、それを遙かに上回っている……
「あたしはあの子から生まれたの。あの子が望んだ事……それがあたし。」
「ここの村人さん達が死ぬ事を、羽衣ちゃんが望んだとでも言うの!?」
幽羅の言う事はわかる。だが……もし我の仮定が正しいとしたら……
「そうだよ。あの子は虐められていたの。だからあたしが代わりに恨みを晴らしてあげたの。
まぁ、その後あの子は殺されて、あたしは自由になれるはずだったのに……」
「……そう言う事か。」
後で猫神に事情を聞く必要があるかもしれん……だが、今はそれよりも。
「だがこうなってしまった以上、貴様を許しておくわけには行かない。我がこの手で貴様を葬る!」
「あたしを殺しちゃうんだ?でもそんな事したら、貴方の大事な羽衣ちゃんが死んじゃうよ?」
「……ふん、見くびるな邪念よ。貴様だけを殺す手段はあるのだ。」
「へぇ……なら、やってみせてよ!あたしだけ殺して見せてよ!!」
瞬間、刃が煌めく。
鋭い槍の一閃を爪で弾く。だがその力はかなりの強さだった。
「雪乃!幽羅!ここは我が食い止める!二人は村人の避難を!!」
「はいっ!」
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「ああ……思う存分、これを扱う事が出来るからな……!!」
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この状況を唯一打破出来る可能性がある力。
「我が前に姿を現せ……!!」
これで……決着をつける。
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