<?xml version="1.0" encoding="UTF-8" ?>
<feed xml:lang="ja" xmlns="http://www.w3.org/2005/Atom" xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/" xmlns:thr="http://purl.org/syndication/thread/1.0">
  <title type="text">Cherry blossom</title>
  <subtitle type="html">それぞれの想いは交差し、物語を紡ぐ。</subtitle>
  <link rel="self" type="application/atom+xml" href="http://cherryblossomext.blog.shinobi.jp/atom"/>
  <link rel="alternate" type="text/html" href="http://cherryblossomext.blog.shinobi.jp/"/>
  <updated>2007-08-18T15:07:29+09:00</updated>
  <author><name>撃ち放題</name></author>
  <generator uri="//www.ninja.co.jp/blog/" version="0.9">忍者ブログ</generator>
  <atom10:link xmlns:atom10="http://www.w3.org/2005/Atom" rel="hub" href="http://pubsubhubbub.appspot.com/" />
  <entry>
    <id>cherryblossomext.blog.shinobi.jp://entry/108</id>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://cherryblossomext.blog.shinobi.jp/Entry/108/" />
    <published>2012-05-27T18:47:50+09:00</published> 
    <updated>2012-05-27T18:47:50+09:00</updated> 
    <category term="Cherry blossom" label="Cherry blossom" />
    <title>「支える者と支えられる者」</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[目が覚めると、そこはあの墓地だった。あたりを見回す。<br />
僕はあの墓石に寄りかかる感じになって……意識を失ってた？<br />
いや、そうじゃない。僕は、あの子と……？<br />
……ううん、もうこれ以上考えても仕方ないかな。<br />
立ち上がって、空を見上げる。そう、これで良かったんだ。<br />
もう、これ以上誰かを悲しませる事はない。<br />
さぁ、帰ろう。いろんな人を心配させてるんだから。<br />
<br />
<br />
<br />
囚われた意志は彼女の手によって解き放たれ、星の輪廻へと導かれる。<br />
彼らが再びこの世に生を受けるのは、暫く後になるだろう。<br />
それにしても……私は多くの事象を見てきた。だが、この様な事は滅多にない。<br />
あれだけの怨念を、ほんの僅かな時間で祓ったのだ……間違いなく、彼女は本物だ。<br />
これで空白が一つ埋まる。しかし……彼女を神界に拘束するのはよろしくないな。<br />
ここは一つ、また無理を言ってみるか。<br />
<br />
<br />
<br />
「羽衣っ！」<br />
「あ、猫神様……」<br />
<br />
村に戻ると、人の姿をした猫神様が駆け寄ってきた。<br />
……なんだろう、すごく久しぶりに会ったような気がする。<br />
<br />
「羽衣、無事でよかっ……ん？」<br />
<br />
突然、じっと僕の顔を見る猫神様。あれ、顔に何か付いてる？<br />
<br />
「どうかしましたか？」<br />
「羽衣、左目が……」<br />
「えっ？」<br />
「ほら、これ……」<br />
<br />
ぽんっ、という音と一緒に手鏡が出てきた。それで自分の顔を見る。<br />
……左目が、あの子みたいな赤い目になっていた。<br />
<br />
「……そっか。そうだったんだね……」<br />
<br />
あの時、あの瞬間に、僕は二つの存在になった。<br />
神族としての僕と、人間としての僕。<br />
それが今、また一つに戻った。最初とは、少し形が違うけれども……<br />
<br />
「分かたれた意志は今再び一つに。最高の結果だね、羽衣さん。」<br />
「……はい、神王様。」<br />
<br />
猫神様の後ろに神王様が現れる。なんだか、疲れているように見える。<br />
僕がいない間に、何かあったのかな……？<br />
<br />
「いやぁ、本当に驚いた。突然炎神の波動が広がる物だから、神官がわざわざこちらに来てね。<br />
　どういうことだ！どうなってるんだ！なんて質問責めだよ。困っちゃうね、ほんと。ははは！」<br />
<br />
あの時、僕が使った力。それは炎の具現。<br />
全てを焼き尽くす激しさと、他者を癒す暖かさ。<br />
相反する力を持つ、神としての力。<br />
……なんだけども、特に前振りとかなしに目覚めたせいか、<br />
神界の人達がその気配に驚いたみたいだった。<br />
<br />
「あー、うー……ごめんなさい……」<br />
「いやいや、謝る必要はないさ。無事に帰ってきてくれただけで十分。<br />
　ただ……一時は本当にどうなるかと思ったよ。もし事が悪い方向に進み続けるなら<br />
　私も全力で介入する必要があるんじゃないかと身構えてたんだ。」<br />
<br />
神王様も、ずっと心配してくれていた。<br />
僕が戦っている間、陰で支えていてくれた。<br />
<br />
「……神王様、猫神様、本当に……ありがとうございます。」<br />
<br />
今の僕には、それがとても嬉しくて。<br />
僕は笑顔で、二人に感謝した。]]> 
    </content>
    <author>
            <name>撃ち放題</name>
        </author>
  </entry>
  <entry>
    <id>cherryblossomext.blog.shinobi.jp://entry/107</id>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://cherryblossomext.blog.shinobi.jp/Entry/107/" />
    <published>2012-05-27T18:47:25+09:00</published> 
    <updated>2012-05-27T18:47:25+09:00</updated> 
    <category term="Cherry blossom" label="Cherry blossom" />
    <title>「意思の収束」</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[罪は消えない。でもこれ以上、罪を積み重ねさせるわけにはいかない。<br />
全ての悪意はここで収束する。全ての悪意はここで終わる。<br />
やってみせるよ。これは僕にしか出来ないのだから。<br />
<br />
「全部、終わらせるよ。」<br />
<br />
目を開く。そこは焼け野原だった。周囲に悪意が陣取っている。<br />
もうあの子の返事は聞こえない。四方八方から悪意が迫るのが分かる。<br />
直前まで迫る。その瞬間を見て、槍で振り払う。炎が舞う。悪意が消える。<br />
また迫ってくる。それを振り払う。それを繰り返す。<br />
振り払うたびに、焼け野原だった光景が、白く塗りつぶされていく。<br />
重く感じた悪意も、少しずつ、少しずつ、消えていく。世界が白くなっていく。<br />
<br />
どうして？<br />
<br />
声が聞こえた。何故、僕はここで槍を振るうのか。<br />
<br />
「貴女に、安らかな眠りを与えるため。」<br />
<br />
振るいながら答える。もう苦しませない。全てを断ち切る。そのために、僕はここにいる。<br />
あぁ、身体が焼けるように熱い。それでも振るうのを止めない。<br />
もう世界の殆どが白くなっていた。悪意もあまり感じない。<br />
一度、大きく振り払った時、あの子の姿が見えた。泣いている。<br />
これが最後。大きな炎を纏わせ、全力で振り抜く。悪意は消えた。世界は白く塗りつぶされた。<br />
目の前に、僕がいた。涙を流している、僕がいた。<br />
黒の長髪、澄んだ赤い瞳、華奢な体。それは間違いなく、僕だった。<br />
<br />
「もう大丈夫だよ。だから、泣かないで。」<br />
<br />
槍は燃え尽きた。満身創痍の身体で、優しく抱きしめる。<br />
これで、全ては一つに収束した。<br />
<br />
「ありがとう……」<br />
<br />
こうして僕は、この世界から消えた。]]> 
    </content>
    <author>
            <name>撃ち放題</name>
        </author>
  </entry>
  <entry>
    <id>cherryblossomext.blog.shinobi.jp://entry/106</id>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://cherryblossomext.blog.shinobi.jp/Entry/106/" />
    <published>2012-05-27T18:46:53+09:00</published> 
    <updated>2012-05-27T18:46:53+09:00</updated> 
    <category term="Cherry blossom" label="Cherry blossom" />
    <title>「決意」</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[「……羽衣？」<br />
<br />
書斎で日記を読んでいた時、ふと、羽衣の気配を感じた。<br />
……いや、限りなく羽衣に近い気配、と言うべきか。一瞬ではあったが、力強い物だ。<br />
これはまるで……本来の神の力。<br />
<br />
「……まさか。」<br />
<br />
奴から聞いた事がある。神界では、神が不在になる事があると。今でもその空白は発生している。<br />
随分といい加減な物だが、神界における上位神の定義を考えれば、有り得ない話ではない。<br />
一つの力に対し、特に得意とするものを持つ神族……可能性としてはあるのだろうな……<br />
大きな力を扱える存在は稀だ。そして、本来遠い場所にいるはずの羽衣の気を感じた。<br />
自らと対面した事で、その本質が見えたのかもしれないな。<br />
……羽衣が、炎を司る神に、か。<br />
<br />
「……さて。」<br />
<br />
日記をしまい、書斎を離れる。後は、羽衣次第だろう。<br />
……変えてみせろ、羽衣。過去を断ち切り、未来を手に入れろ。<br />
<br />
<br />
<br />
炎は消え、闇は晴れた。けれど、そこに羽衣の姿は無かった。<br />
見回すと、少し離れた所に神王様が立っていた。<br />
<br />
「羽衣……！？」<br />
「彼女は、決着を付けに行ったよ。後はもう、私達がどうこう出来る物じゃない。」<br />
「でもっ……！」<br />
<br />
あれ程の怨念を、たった一人で背負わせている。<br />
何か……何か出来ないのか……？<br />
<br />
「……これは彼女自身が決めた事だ。今は、信じてあげよう。信じて、帰りを待とう。」<br />
「神王様……」<br />
<br />
……助けてあげたい。でも、それは叶わない。<br />
今はただ、祈るしか無い。羽衣が無事に戻ってきてくれる事を……<br />
<br />
「それと、私達はやらねばならないことがある。もしかしたら、ここで邪神が出ていた可能性もあるからね。」<br />
「……堕落した神、人を喰らい糧とする、か……僕達で真偽を確かめなければ。」<br />
<br />
今、僕達にしか出来無い事がある。全てを終わらせるために、出来る事をやろう。<br />
羽衣が、無事に戻ってきてくれた時のために……<br />
<br />
<br />
<br />
生きたかった。もっと、生きたかった。でもそれは叶わなかった。<br />
憎い。あたし達を殺した奴らが憎い。だから殺す。殺して、同じ苦しみを与えてやる。<br />
<br />
「でも、それはもう意味が無い。今あの村で住む人々は、もう同じ過ちは繰り返さない。<br />
　これ以上犠牲は出ない。もう、終わったんだよ。」<br />
<br />
……もう、止められないの。恨みは積み重なる。あの村の全てを食い尽くすまで……<br />
<br />
「なら、僕が止める。全て終わらせる。」<br />
<br />
どうやって？例え貴方が神になっても、こんな怨念をどうにか出来るの？<br />
<br />
「出来るよ……今の僕なら。この力は、今この瞬間の為にあるんだから。<br />
　この力は、壊す為だけじゃない。正す為の力でもある。<br />
　例え僕がどうなろうとも、やってみせる。」<br />
<br />
<br />
<br />
負に囚われた者に、安らかな眠りを。<br />
<br />
<br />
]]> 
    </content>
    <author>
            <name>撃ち放題</name>
        </author>
  </entry>
  <entry>
    <id>cherryblossomext.blog.shinobi.jp://entry/105</id>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://cherryblossomext.blog.shinobi.jp/Entry/105/" />
    <published>2011-11-04T16:03:02+09:00</published> 
    <updated>2011-11-04T16:03:02+09:00</updated> 
    <category term="Cherry blossom" label="Cherry blossom" />
    <title>「開放への戦火」</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[『あははははは！！いつまでそんなことしてるのかなぁ！！』<br />
<br />
まるで恨みを直接叩きつけてくるような、そんな攻撃。<br />
これを止めるには……もう、これしかない。<br />
<br />
「……猫神様。僕……どうしてこの力があるのか、分かったような気がします。」<br />
<br />
攻撃の先、もう一人の僕がいる所へ意識を集中させる。<br />
狙うのは、あの一点。<br />
<br />
「羽衣……それじゃあ、やっぱりその炎は……」<br />
「本当の、神の力……」<br />
<br />
どうして僕が、炎の魔法をこれだけ上手く使えるのか。<br />
確かに、少し勉強すれば簡単な魔法は使える。<br />
でも、今僕が使っているのは、勉強した事の無い……いや、そもそも知らないはずの魔法。<br />
そんな魔法を、何事もないように、最初から知っていたように使っている。<br />
<br />
「今の僕なら、出来ると思うんです。あの僕を止める事を……」<br />
「で、でも、それは羽衣の体が……！」<br />
「分かってます……それでも、今やらないと……二度とあの僕を止めることが出来ない。」<br />
<br />
僕がやろうとしている事。多分、僕の体にかなり負担が掛かる物だと思う。<br />
でも、躊躇している時間はない。これは、僕以外には絶対に出来ない。<br />
<br />
「羽衣っ！！」<br />
「止めないでください！」<br />
<br />
……やろう。そして、終わらせよう。<br />
もう二度と、誰も悲しまないよう。<br />
結界をそのまま攻撃に変える。周囲に迫っていた怨念を吹き飛ばす。<br />
<br />
『やっと本気を出してくれるの？』<br />
「……うん。貴女を、みんなを助けるために、僕の全力をここで見せる！」<br />
『助ける……？貴女もバカね。助かるわけがないじゃない！！』<br />
<br />
攻撃が飛んでくる。でも僕は、それを一振りで消し飛ばした。<br />
次の一手に、全てを託す。持つ槍に、一点に、力を集中する。<br />
この一撃は、『倒す』ためじゃない。『救う』ためにある。<br />
<br />
『貴女も、村の奴らも、ここで死ぬのよ！！』<br />
「絶対に、させないッ！！」<br />
<br />
向こうも全力だ。でも、負けない。<br />
僕の全力を込めた、炎の槍。全てを貫き、『浄化』する。<br />
<br />
「でやぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ！！」<br />
<br />
槍を放つ。あの子の怨念が見えた。でも、僕は怯まない。<br />
槍は闇を切り裂き、あの子に真っ直ぐに飛んでいく。<br />
視界が揺らぐ。体が崩れ落ちていく。声が聞こえたような気がした。<br />
<br />
「どうして……どうして、あたしが殺されないといけなかったの……？ねぇ……どうして……？」<br />
<br />
泣いている……そう、これは、あの時の僕……いや、それだけじゃない。<br />
生贄となって殺された、全ての子供達が思った事……]]> 
    </content>
    <author>
            <name>撃ち放題</name>
        </author>
  </entry>
  <entry>
    <id>cherryblossomext.blog.shinobi.jp://entry/104</id>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://cherryblossomext.blog.shinobi.jp/Entry/104/" />
    <published>2011-06-09T19:00:12+09:00</published> 
    <updated>2011-06-09T19:00:12+09:00</updated> 
    <category term="Cherry blossom" label="Cherry blossom" />
    <title>「空白」</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[因果と言うのは、思いもよらない所で具現化する事もある。<br />
墓地周辺に結界を張っている最中に、羽衣さんから発せられたそれは、<br />
間違いなく私が足りないと感じていた物であった。<br />
<br />
「……いやはや、人生何が起こるか分からないね。」<br />
<br />
だが、それはまた後の話だ。<br />
今は彼女が円滑に決着を付けられるよう、支えるだけだ。<br />
結界の構築は完了した。外界への影響はこれで無くせる。<br />
遠目から様子を見ていたが、不意に、その中心から黒が広がった。<br />
<br />
「……いざとなれば、か。その時は素直に怒られておこうかな……」<br />
<br />
神官達の不満そうな顔を思い出し、少し苦笑い。<br />
でもまぁ、きっと納得してくれるだろう。<br />
……彼女が、本来の姿になってくれれば、尚更だ。<br />
<br />
<br />
<br />
突然、目の前の僕から光が消えた。一瞬であたりが暗くなる。<br />
<br />
『あれ……？』<br />
<br />
でもそれは墓地の中だけで留まっていた。<br />
何かに堰き止められているように……結界？<br />
この感じ、神王様が結界を展開してくれたのかな。<br />
<br />
『……ふーん、面倒な事するんだね。』<br />
<br />
不満そうに目の前の僕は言う。<br />
あのまま、村ごと包んでしまうつもりだったのかな……<br />
そんな事になったら、村の人達が、みんな……<br />
<br />
「これ以上は、僕が許さない！！」<br />
<br />
迷う事なんてない。全てを、ここで終わらせる。<br />
槍を構える。槍が纏う炎、その力は……『浄化』。<br />
今なら分かる気がする。どうして僕が、炎を扱う事が出来るのか……<br />
<br />
『無理よ！貴方には止められない！』<br />
「そんな事無い！」<br />
<br />
怨霊達が襲い掛かる。冷静に避け、槍を振るう。<br />
……なんだろう。声が聞こえる気がする。<br />
<br />
「羽衣っ！！」<br />
<br />
猫神様の声が響く。怨霊を退けながら猫神様のいる所まで下がった。<br />
それでも怨霊の攻撃は止まない。<br />
<br />
『どうして……どうして貴方はあたしを止めるの！？』<br />
「もう誰も恨む必要なんて無い！殺す必要なんてない！」<br />
『必要無い？……ふざけないで！！貴方は、あいつらにされた事を忘れたの！？』<br />
<br />
忘れたわけじゃない。恨みが全く無いと言ったら嘘になる。でも……<br />
<br />
「それは今じゃない！貴方は過去に囚われているだけ！」<br />
『五月蝿いッ！！もう誰にも止められない！みんなここで殺してやる！！』<br />
「ぐっ……！？」<br />
<br />
攻撃が熾烈になる。槍を地面に突き立てて、そこを中心に結界を張った。<br />
……でも、長くは持たない。<br />
<br />
「羽衣！？」<br />
「……っつ……！！」<br />
<br />
じりじりと手が焼けるような感覚がする。<br />
油断すれば、一瞬で潰されてしまいそうで。<br />
<br />
『た……す……け、て……』<br />
「………！！」<br />
<br />
小さいけれど、聞こえた。助けを求める声。<br />
間違いなく、それは怨念から発せられていた。<br />
<br />
「今の声は……」<br />
「……はい。間違いないと思います。」<br />
<br />
苦しいのは、僕やもう一人の僕だけじゃない。<br />
あの僕に囚われた霊もまた、苦しんでいるんだ……]]> 
    </content>
    <author>
            <name>撃ち放題</name>
        </author>
  </entry>
  <entry>
    <id>cherryblossomext.blog.shinobi.jp://entry/103</id>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://cherryblossomext.blog.shinobi.jp/Entry/103/" />
    <published>2011-02-14T22:00:01+09:00</published> 
    <updated>2011-02-14T22:00:01+09:00</updated> 
    <category term="Cherry blossom" label="Cherry blossom" />
    <title>「実像と虚像」</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[一人、小屋で今後の事を考える。<br />
正直な所、未だに驚きっぱなしだ。まさか、ああ言う風に形になっているとは。<br />
恐らく、今は羽衣さんと猫君が彼女と対峙している所だろう。<br />
神の権限を全力で使ってもいいが、あのレベルだと正直、無事に済むかどうかも怪しい。<br />
……答えを導き出すのは、やはり本人に任せるべきかな。<br />
無論、その答えを導くに至る途中での手助けは全力でするが……<br />
それはその時になったら考えよう。<br />
あまり無闇矢鱈に最高権限クラスの力を行使するのは後が面倒だ。<br />
<br />
「……それにしても、咲耶がこれを頼むとは、ね。」<br />
<br />
昔の咲耶を知っている身としては、咲耶から頼まれるという事自体が驚きだった。<br />
いやまぁ、今であればあるにはあるが……<br />
咲耶も随分軟化したものだ。昔は正直な所、相手にしたくない相手でもあった。<br />
やたら堅苦しい上、異質な空気を何事も無いかのように叩きつけて来た。<br />
それが今になってみれば、仲間と共に行動している……昔じゃ考えられない。<br />
……まぁ、そうなるように道を作った、とも言えるが。<br />
<br />
「失敗は許されなさそうだ……さて。」<br />
<br />
頼まれたからには、完遂しなくてはならない。<br />
それがどんな事であれ、あの咲耶がこの私に頼んだのであれば。<br />
……借りは返す。そう決めた。<br />
<br />
<br />
<br />
この状況をどうやってひっくり返すのか。<br />
正直な所、僕にはどうしていいのか分からない。<br />
全ての怨念を片っ端から浄化しようにも、規模の予測が出来ない。<br />
最悪、逆に飲み込まれてしまう事だって有り得る。<br />
……今、僕の目の前にいるそれも、何をしてくるか分からない。<br />
神王殿の支援があれば問題は無い……けども、そう簡単に事が進むだろうか？<br />
<br />
「……僕はもう、逃げない。」<br />
「羽衣……？」<br />
<br />
沈黙を破ったのは羽衣だった。<br />
迷いの無い、まっすぐな言葉。<br />
<br />
「もうこれ以上、過ちは繰り返さない。ここで……全て終わらせる。」<br />
『……無駄よ。貴方が望まなくても、みんなは殺し続ける。貴方だけで何が出来るの？』<br />
<br />
それの背後が歪む。禍々しい空気が流れこんでくる。<br />
それでも羽衣は、その目は、それを捉え続けていた。<br />
<br />
「僕は一人じゃない。僕には、仲間がいる。」<br />
<br />
羽衣の右手が燃え上がる。その炎の中から、何かが具現化しようとしている。<br />
この魔力……まさか……羽衣が？<br />
<br />
「もう迷わない……！」<br />
<br />
何かが具現化されていく。これは……槍？<br />
炎に包まれた、一本の槍。それに、この波動は……<br />
じゃあ、あの空白を埋めるのは……羽衣だったのか？]]> 
    </content>
    <author>
            <name>撃ち放題</name>
        </author>
  </entry>
  <entry>
    <id>cherryblossomext.blog.shinobi.jp://entry/102</id>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://cherryblossomext.blog.shinobi.jp/Entry/102/" />
    <published>2010-12-03T23:12:25+09:00</published> 
    <updated>2010-12-03T23:12:25+09:00</updated> 
    <category term="Cherry blossom" label="Cherry blossom" />
    <title>「過去を見つめる」</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[墓地をゆっくりと歩く。<br />
もし本当にここが生贄になった人のお墓なら、<br />
僕の……人間だった頃の僕も、ここにいるかもしれない。<br />
<br />
「羽衣……大丈夫？」<br />
「……大丈夫です。」<br />
<br />
猫神様にそう返事はしたけれど、正直そんなに調子はよくない。<br />
相変わらず、胸が締め付けられる感覚はある。<br />
<br />
「……？」<br />
<br />
視線を感じる。でも、猫神様じゃない。<br />
感じる方向を向いてみる。少しだけ風化したお墓がある。でも、誰もいない。<br />
近づいてみる。風化は進んでいるけれど、他のに比べるとまだ度合いが少ない。<br />
<br />
「これって……」<br />
<br />
名前は書かれていない。でも、何となく……分かった。<br />
眩暈がする。間違いない。このお墓は……<br />
<br />
『やっと来てくれた。』<br />
「……ごめん。」<br />
<br />
墓石に座っていた、もう一人の僕。<br />
ずっと、ここで待っていたのかな……<br />
<br />
「ここは……やっぱり、そうなんだね。」<br />
『そう。形だけのものだからこんな状況だけれども。』<br />
「そっか……」<br />
<br />
ここに、人間だった頃の僕が眠っている……すごく、複雑な気分。<br />
僕は生きている。けれど、それは神族としての僕であって、人間としてじゃない。<br />
<br />
『まぁ、あたし達はただの生贄だから、ちゃんとした墓なんていらないんだろうけど。』<br />
<br />
何処か皮肉るような口調でもう一人の僕は言った。<br />
……なんだか、寂しい。<br />
<br />
「……ある種の狂信的な物だったと思う。そして、それが結果として君を生み出す結果となった。」<br />
「猫神様……」<br />
『神の為に生贄を捧げる……ふふっ、酷い話よね？存在しない神の為に殺されるなんて。』<br />
「……気づくのが、遅すぎた。それが我々の落ち度だ。」<br />
<br />
もう、生贄の必要なんて無かった。それなのに、殺された。<br />
理不尽という言葉だけで済まされない。それ程の事。<br />
<br />
「だからこそ、今その因果に決着を付ける。」<br />
「うん……もう、迷わない。」<br />
『……好きにすればいいよ。それで、みんなが納得出来るとは思えないけどね？』<br />
<br />
……そう、これは僕一人の問題じゃない。<br />
村人、生贄、神……多くの人が、関わっている。]]> 
    </content>
    <author>
            <name>撃ち放題</name>
        </author>
  </entry>
  <entry>
    <id>cherryblossomext.blog.shinobi.jp://entry/101</id>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://cherryblossomext.blog.shinobi.jp/Entry/101/" />
    <published>2010-08-31T23:23:36+09:00</published> 
    <updated>2010-08-31T23:23:36+09:00</updated> 
    <category term="Cherry blossom" label="Cherry blossom" />
    <title>「何時か見た夢」</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[「う、ん……」<br />
「羽衣！」<br />
「羽衣さん、大丈夫！？」<br />
<br />
意識が元に戻る。少し、体が軽くなったような気がする。<br />
猫神様も神王様も、心配そうな表情をしている。<br />
<br />
「……大丈夫、です……」<br />
<br />
もう一度、起き上がろうとする。今度は痛くない。<br />
ただ、何となくだけれども……何かが、自分の中から抜け落ちたような、そんな感覚がする。<br />
<br />
「もう起きて大丈夫？」<br />
「はい。ごめんなさい、心配ばかり掛けて……」<br />
「ううん、いいんだ。羽衣が無事なら……」<br />
<br />
猫神様の手を借りて立ち上がる。<br />
ずっと横になってたから、少しふらふらする。<br />
<br />
「ん……？」<br />
「どうかしましたか、神王殿？」<br />
「いや、羽衣さんから、一つ気配が消えているような気がしてね。」<br />
<br />
気配が一つ消えている……この抜け落ちたような感覚ってもしかして……？<br />
<br />
「あの……もう一度、墓地に行ってもいいですか？」<br />
「それは構わないけれど……本当に大丈夫かい？」<br />
<br />
猫神様が心配するのも当然。さっきは墓地に来た途端に意識を失ってしまった。<br />
だから、あの場所がどういう物なのか、自分の目でしっかりと確かめたかった。<br />
<br />
「はい……もう、大丈夫です。」<br />
「……僕も付いて行くから、何かあったらすぐに言ってね。」<br />
「分かりました……」<br />
<br />
あの場所に……きっと手掛かりがある。<br />
<br />
<br />
<br />
寂れた墓地、一部の墓石は酷く風化してしまっている。<br />
……少しだけ、胸が締め付けられるような感じがする。<br />
<br />
「……ここには、誰も来ていなかったのかな……」<br />
「この荒れ具合からすると……そうかもしれないね。」<br />
<br />
村からはそう遠くないはず……それなのに、こうして放置されている。<br />
何か、ここに来たくない理由があるのかな……？<br />
<br />
「名前も書かれていない、か。最低限の形式だけにしても、これは……」<br />
「……もしかして、ここって……」<br />
<br />
手入れされず、風化している墓石。何とか形を残している墓石を見ても、名前が書かれていない。<br />
それに、この、胸が締め付けられるような感覚……<br />
<br />
「……生贄になった人の、お墓……？」<br />
「……可能性はありそうだね。」<br />
<br />
不意に、自分が生贄になった時の記憶が浮かび上がる。<br />
体が燃えて、とても熱くて、でもそれが暫くすると何も感じなくなって……<br />
もしかして、人だった頃の僕も、ここに……？]]> 
    </content>
    <author>
            <name>撃ち放題</name>
        </author>
  </entry>
  <entry>
    <id>cherryblossomext.blog.shinobi.jp://entry/100</id>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://cherryblossomext.blog.shinobi.jp/Entry/100/" />
    <published>2010-07-11T15:34:20+09:00</published> 
    <updated>2010-07-11T15:34:20+09:00</updated> 
    <category term="Cherry blossom" label="Cherry blossom" />
    <title>「過去を伝える人」</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[ここは小さな家。僕が住んでいた場所。<br />
そう、ここで僕は、人間として生きていた。<br />
<br />
「……今は、もう取り壊されてるのかな。」<br />
「貴方が死んでから、すぐに壊されたみたいだよ？」<br />
「そっか……」<br />
<br />
あの時の僕は、村人にとって忌むべき存在だった。<br />
……すぐに壊されて当然なんだと思う。<br />
<br />
「そんな事より、もっと重要な事を聞きたいんじゃないの？」<br />
「……うん。貴方は、本当は何者なのか……」<br />
<br />
ただ、純粋に僕の負の部分だけの存在じゃない。<br />
もっと大きな、別の何かが関わっている……その答えがここにある。<br />
<br />
「あたしは怨念そのもの……貴方の怨みは強かったけれど、それだけじゃ人は殺せない。」<br />
「……他に殺された子供達の怨み？」<br />
「そう。殺される理由もよく分からないままに、殺されていった子の怨み。<br />
　……ふふっ。貴方の怨みは本当に強かった。だからみんなが引き寄せられた。<br />
　貴方の怨みが一番強かったから、みんなを引き寄せたの。」<br />
<br />
……僕は最後の生贄であり、そして最も村人を怨んでいた。<br />
今はそう思っていないけれど、それは猫神様の手によってあの僕と分離されたから。<br />
……怨みは、全てあの僕が引き受けていた。<br />
<br />
「あたしが貴方の姿をしている理由も、もう分かるでしょ？」<br />
「……そうだね。」<br />
「それと……怨みを持っているのは子供達だけじゃないのも、もう分かってるかな。」<br />
「貴方が殺した村人の怨みも、貴方が引き受けていた……」<br />
<br />
……怨みが怨みを呼ぶと言うのは、こういうことなのかな。<br />
<br />
「ふふっ、自業自得よね？散々あたし達にあんな事をして来たんだから。」<br />
「……それでも、殺すのはやりすぎだよ。」<br />
「怨念の力を見せてあげただけだよ？怨みが全てを食らい尽くすまで、力を見せるつもりだった。」<br />
「それを僕が……止めた。」<br />
<br />
あの僕はあからさまに不満そうな表情をしていた。<br />
まだ殺し足りない……そんな雰囲気だ。<br />
<br />
「外にいる子達は、まだ足りないってずっと言ってる。」<br />
「これ以上は……絶対に僕が許さない。」<br />
「……そう。」<br />
<br />
不満そうだった、けれど、何処か寂しそうにも見えた。<br />
……何か、別の意思を感じる。<br />
<br />
「……もう、貴方は望んでいないものね……」<br />
「……うん。」<br />
「でも、あたしは怨念。怨みを作った元を消さない限り、あたし達は来えない……」<br />
<br />
突然、ガタガタと家が揺れ始める。<br />
少しずつ、嫌な気配が強くなっていく。<br />
<br />
「戻って。貴方のいるべき場所へ……」<br />
「……！！」<br />
<br />
扉が荒々しく開き、怨念が流れ込んだ瞬間、僕の意識は消えた。]]> 
    </content>
    <author>
            <name>撃ち放題</name>
        </author>
  </entry>
  <entry>
    <id>cherryblossomext.blog.shinobi.jp://entry/99</id>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://cherryblossomext.blog.shinobi.jp/Entry/99/" />
    <published>2010-07-03T00:28:32+09:00</published> 
    <updated>2010-07-03T00:28:32+09:00</updated> 
    <category term="Cherry blossom" label="Cherry blossom" />
    <title>「真相を知るために」</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[「僕が殺される前にも、犠牲になった子供がいた……」<br />
「羽衣が迫害を受けている時に、村人の犠牲者が出始めた……それは僕も確認してる。<br />
　……恐らく、怨みが今までの怨念を呼び寄せた形になったんだと思う。」<br />
<br />
あの僕の後ろにいた子供は、つまりそういう事なんだと思う。<br />
僕がまだ人間だった頃、知らず知らずの内に怨念を呼び寄せていた。<br />
その結果が……あの、僕……<br />
<br />
「……村人の話では、十年に一度、この村に来る神の為に生贄を捧げる事になっていたらしい。<br />
　でも、痕跡を調べてもここ暫くその神とやらが来た様子は無いんだ。」<br />
「生贄なんて、必要無かった……」<br />
<br />
何も罪の無い子供達が、殺される……どうして、こんな事が……？<br />
<br />
「神がもう来ない事が、その当時の村人には分からなかったのかもしれない。」<br />
「……僕が羽衣に初めて会った時……その時は、僕以外に神とか、神族がいた気配はしなかった。<br />
　そもそも、生贄の事そのものを知らなかったけれども……」<br />
<br />
……いや、それだけじゃない……もしかしたら、あの僕が殺した村人だって……<br />
<br />
「……僕が……怨念を……うぐっ！？」<br />
「う、羽衣っ！？」<br />
「羽衣さん！！」<br />
<br />
急に、胸を締め付けられるような痛みが襲う。<br />
また、意識が薄れていく。これは……呼んでる……？<br />
<br />
「あ……ぐっ……いか、な……く……」<br />
<br />
……行かなくちゃ。みんなの元へ。<br />
<br />
<br />
<br />
そこは薄暗い家の中。何処か、見覚えのある風景。<br />
<br />
「おかえり。」<br />
<br />
そこに佇んでいた、もう一人の僕。不思議と、禍々しさを感じない。<br />
あの僕は怨念その物のはずなのに。<br />
<br />
「……本音を言ってもいい？」<br />
「なぁに？」<br />
「僕を呼ぶ方法、もっと穏やかに出来ないの？」<br />
「ふふふっ……分かってるくせに。」<br />
<br />
ああでもしないと呼び出せない、それ相応の事情がある。<br />
……間違いなく、そこは怨念らしいと思う。<br />
<br />
「……僕には知らない事がたくさんある。けど、貴方なら、それを知っている……そんな気がする。」<br />
「そう……貴方はそう思うんだ？」<br />
「うん。貴方が怨念その物だって言うのなら……」<br />
<br />
僕の知らない所で、全ては動いていた。<br />
その事を、僕は余りにも知らなさすぎる。<br />
<br />
「……教えて。もっと、貴方の事を。」<br />
「いいよ。その為に、ここに呼んだんだもの。<br />
　ここなら、他人の影響を受けないから。そう、ここは絶対。」<br />
<br />
あぁ、そうだ。ここは……僕の、家だ。]]> 
    </content>
    <author>
            <name>撃ち放題</name>
        </author>
  </entry>
</feed>